ベッドとか言ってるけどあんまり深いことは気にしないでください
カーテンの隙間から射し込む朝日が眩しくて、仕方なく重たい瞼を開けた。
眠りについてからそう時間は経っていないだろう。けだるさの残る身体と、確かに感じる左腕の重み。
この眩しさのせいで、可愛い恋人が十分に休めないのは可哀相だと、いつの間にかベッドの下に落ちていた布団を引っ張り上げる。
「んっ…」
なるべく左腕は動かさないよう気を配ったつもりだったが、それでもこれだけ密着しているのだ。小さく呻く声が聞こえてカタバは左腕に乗った恋人の顔を見下ろした。
「カタバ…?」
その声はひどく掠れていて、昨夜それだけ無理をさせてしまったのだなという罪悪感と、それができるのは自分だけだという独占欲、それから優越感が溢れてきて緩んでしまいそうな口元を引き締めながら、カタバはそうっと、壊れものでも扱うような手つきでセイの頭をなでた。
「まだ起きるような時間じゃない。…もう少し寝ていろ」
「う、ん…」
寝起きの悪い恋人が確かに頷いて瞼をおろしたのを確認してから、カタバが再び、右手だけでベッド下の布団を引っ張り上げようとした時だった。
「!!」
ぞくぞくとした快感が全身を走り、ちゅっ、ちゅっという、朝には不釣り合いな音がやけに卑猥に響く。
「あ。…跡ついた」
「セ、セイ!」
慌てて名前を呼ぶと、まだ寝ぼけているのか、へらっと笑ったセイが首に腕を回して抱きついてきた。そのまま自然に唇が重なって、カタバは数秒固まった後で、腰と背中をぐっと抱き寄せる。
「ん…ふ、んんっ」
昨夜の行為を彷彿とさせる甘い声が響いてカタバは夢中でセイの唇を貪った。
このまま、この先に進んでいいものだろうか。昨夜だいぶ無理をさせたような気がするから今日はゆっくり寝かせてやろうと思っていたのに早速鈍ってしまった決心に、心の中で苦笑いしながら、セイの唇を味わっていたとき。
突然すとんと、カタバにしがみついていたセイの腕から力が抜け、ずしりとした重みが両腕にのしかかった。
「セイ…?」
名前を呼んでみるものの、返ってくるのは静かな寝息ばかりだった。
やけに素直だと思ったらやっぱり寝ぼけていたかという気持ちが半分、すっかりその気になってしまったのにどうしてくれようという気持ちが半分。
ただ、完全に安心しきった顔で眠るセイを見ていると、もうなんでもいいような気がしてきて。
「ゆっくり休め、セイ」
ようやく頭の上まで引っ張り上げた布団をかぶり、セイの頭の上にひとつ触れるだけのくちづけを落としてから。
セイの身体をぎゅうっと抱きしめたカタバも、幸せな二度寝へと落ちていくのだった。
このページの文章・画像は引用を含んでおり、著作権は株式会社コロプラに帰属します。 文章・画像の無断転載は固くお断りします。
All fanfiction and fanart is not to be used without permission from the artist or author.
カタセイの朝チュン
カーテンの隙間から射し込む朝日が眩しくて、仕方なく重たい瞼を開けた。
眠りについてからそう時間は経っていないだろう。けだるさの残る身体と、確かに感じる左腕の重み。
この眩しさのせいで、可愛い恋人が十分に休めないのは可哀相だと、いつの間にかベッドの下に落ちていた布団を引っ張り上げる。
「んっ…」
なるべく左腕は動かさないよう気を配ったつもりだったが、それでもこれだけ密着しているのだ。小さく呻く声が聞こえてカタバは左腕に乗った恋人の顔を見下ろした。
「カタバ…?」
その声はひどく掠れていて、昨夜それだけ無理をさせてしまったのだなという罪悪感と、それができるのは自分だけだという独占欲、それから優越感が溢れてきて緩んでしまいそうな口元を引き締めながら、カタバはそうっと、壊れものでも扱うような手つきでセイの頭をなでた。
「まだ起きるような時間じゃない。…もう少し寝ていろ」
「う、ん…」
寝起きの悪い恋人が確かに頷いて瞼をおろしたのを確認してから、カタバが再び、右手だけでベッド下の布団を引っ張り上げようとした時だった。
「!!」
ぞくぞくとした快感が全身を走り、ちゅっ、ちゅっという、朝には不釣り合いな音がやけに卑猥に響く。
「あ。…跡ついた」
「セ、セイ!」
慌てて名前を呼ぶと、まだ寝ぼけているのか、へらっと笑ったセイが首に腕を回して抱きついてきた。そのまま自然に唇が重なって、カタバは数秒固まった後で、腰と背中をぐっと抱き寄せる。
「ん…ふ、んんっ」
昨夜の行為を彷彿とさせる甘い声が響いてカタバは夢中でセイの唇を貪った。
このまま、この先に進んでいいものだろうか。昨夜だいぶ無理をさせたような気がするから今日はゆっくり寝かせてやろうと思っていたのに早速鈍ってしまった決心に、心の中で苦笑いしながら、セイの唇を味わっていたとき。
突然すとんと、カタバにしがみついていたセイの腕から力が抜け、ずしりとした重みが両腕にのしかかった。
「セイ…?」
名前を呼んでみるものの、返ってくるのは静かな寝息ばかりだった。
やけに素直だと思ったらやっぱり寝ぼけていたかという気持ちが半分、すっかりその気になってしまったのにどうしてくれようという気持ちが半分。
ただ、完全に安心しきった顔で眠るセイを見ていると、もうなんでもいいような気がしてきて。
「ゆっくり休め、セイ」
ようやく頭の上まで引っ張り上げた布団をかぶり、セイの頭の上にひとつ触れるだけのくちづけを落としてから。
セイの身体をぎゅうっと抱きしめたカタバも、幸せな二度寝へと落ちていくのだった。
このページの文章・画像は引用を含んでおり、著作権は株式会社コロプラに帰属します。 文章・画像の無断転載は固くお断りします。
All fanfiction and fanart is not to be used without permission from the artist or author.