□title list□
 ※水色部分にカーソルを合わせると
 メニューが出ます

兄弟で一緒に勉強してたはなし R-18


夕飯の後、勉強を教えてくれと言ってやってきた弟が、日付が変わってもまだ帰る気配がない。
学校の課題はとっくに終わったはずで、その後もしばらく、問題集を解いたりしていたようだが、ここ30分ほど、完全に飽きたんだろうというのが目に見える。

人の膝を枕に、ゴロゴロしたかと思うと、本棚からマンガを出してきて読み始める。
多分、半分も読んでいないだろうに、今度は俺の参考書を開いてみたりする。
開いたところで履修したこともない物理の参考書は、当然意味がわからなかったのかすぐに放り出してまた俺の膝に頭を乗せて寝転がり、部屋着の裾を引っ張ってくる。

構ってあげればいいことなのはわかっているが、こちらはもう少し、週末の模試の勉強をしておきたい。
かと言って、膝の上に弟の重みを感じるのは気分としては悪くなくて、部屋に戻れとも言えずにいるわけだが。

「にーちゃん」
それまで、何をしていてもずっと黙っていた弟が呼ぶものだから、なにかあったのか、もしかして眠くなって自分の部屋に戻るのかと思って、俺は顔を上げた。
「なんだ………」

右肩にしなだれかかってくる体重と、頬に柔らかい唇の感触。
「兄ちゃんまだ勉強するよねー?だったら俺、部屋帰って寝るね。だから、おやすみのキス」
へらへら笑ってはいるが、それが無理をして作った笑顔であることがわからない自分じゃなかった。何年一緒にいると思っている。
とどのつまり、弟のそんな表情を見てしまったことで、勉強はもう明日にしようという気になっていた。自分の決心など、所詮この程度のものなのだ。

「待て、セイ」
勉強道具をまとめて立ち上がろうとした弟の腕を引いて閉じ込めて、唇を重ねる。すぐに、セイは俺の首に腕を回してしがみついてきた。
どれだけして欲しかったというのか。すぐに口を開けて、いつも恥ずかしがり屋のセイにしては珍しいくらい積極的に舌を絡ませてくる。静かな部屋に、セイの吐息と、濡れた水音だけが響いた。

「兄ちゃん」
「…なんだ?」
「これじゃー勉強できないじゃん」
ぷくっと頬を膨らませながら、セイの細い指が部屋着の上から俺の固くなったものをなでた。

「せっかく俺、我慢して寝ようと思ったのにー」
ぶちぶち文句を言うセイを膝の上に乗せて抱いて、残りは明日にするから大丈夫だと言おうとしたとき。
「あっ、わかった!兄ちゃん俺がしてあげる!」
セイは、名案だと言わんばかりの明るい声を出した。

「…なにをだ?」
「ええっ、だから、兄ちゃんの、俺が…。いっつも、してもらってるし」
好きな子にそんなことを言われて揺らがない人間がいたら、そいつは男じゃないと思う。

「いや、だが、セイ…」
「決めたのっ!今日は俺がする!」
珍しく弟が大きな声を出したかと思った瞬間に、すごい勢いで押し倒された。小食だし、細身だし、インドア派文化系だし、明らかに自分より力が弱い弟だけれども、本気を出せばそこは当然男である。油断している自分を押し倒すくらいわけはない。

「いたた…」
「ああ、ごめん、兄ちゃんどっかぶつけた?」
「いや、大丈夫だ」
テーブルの上から落ちてきた問題集が顔面に降っては来たが、分厚い参考書ではなかったせいか、大した痛みではない。本当に大丈夫なのを確認し、セイはカタバの部屋着を下着ごとずるっと下ろした。

「なんかすごい、この目線、新鮮」
いつも自分がしてやる方だったから、確かにセイに見下ろされている視界というのは珍しいかもしれない。そのうち騎乗位でもしてもらうかなどと考えているうちに、セイの柔らかい唇が熱を持った自分の中心に押し当てられた。

「兄ちゃんのってさ、知ってたけど、デカイよね」
自覚はあったものの、上半身を起こしてなんと答えてやったらいいのだろうかと思っている間に、ちろちろと舌を出してセイが自分のものをゆっくりと口に含んでゆく。

ほとんどさせたこともしてもらったことがないのだから、当然上手くはない。が、最愛の弟が自分のものをという現実は別の気分を高揚させた。
「セイ、無理しなくていい」
「むー」
苦しそうに、目尻にうっすら涙まで浮かべているくせに、不満そうに唸っただけで、セイは口を離そうとはしなかった。

一生懸命口と舌を動かして刺激を与えてくる姿が可愛くて、もう少し見ていたいと思ったが、そろそろいろんな意味で限界である。
セイに触れたい。セイに感じて欲しい、セイの喘ぐ声が聞きたい。このまま自分だけ出すのはどう考えてももったいない。

「セイ、顔を上げろ」
視線が上を向いて自分の顔を捉えた瞬間、両脇の下に腕を差し込んで、力でセイの身体を引っ張りあげた。
「えっ?兄ちゃん」
びっくりしているセイの顎を掴んで、そのまま唇を重ねる。言いたいことはあっただろうが、そのまま飲み込ませた。
もしかしたら、セックスよりもキスのほうが好きかもしれないこの弟は、長い長い口付けを与えてやると、すぐにとろんとした表情になって体重を預けてくる。

「セイ、するか」
「やっぱ俺下手だから、俺がしたんじゃ兄ちゃんイケない?」
「そうじゃない」
背中と膝の裏に腕を差し込んで立ち上がると、なんとも間抜けな形で下着ごと部屋着のズボンがずり落ちたがそのままベッドに移動した。ゆっくりセイを下ろして、一気に、上も下も脱ぎ捨てる。

「俺だけ気持ちよくなっても仕方がないだろう?セイにも感じて欲しい」
「勉強は?」
「明日でいい」

申し訳なさそうな表情を見せたのは一瞬のこと。すぐに、素直に嬉しそうな表情をみせたセイがキスをねだる。
まだ平日のど真ん中。見えるところには跡が付かないようにしようとか、1回だけで終わらせようとか。頭の片隅でそんなことを考えながら、カタバはいつもより優しくセイを抱いた。






















このページの文章・画像は引用を含んでおり、著作権は株式会社コロプラに帰属します。 文章・画像の無断転載は固くお断りします。
All fanfiction and fanart is not to be used without permission from the artist or author.