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※「夢でも逢いたい」の続きです

ストーカーだかなんだかわかんないんだけどさ、付き纏われて結構精神的に参ってきてた銀さんを、ヅラが実家に呼んでくれたんだ。

月明かり浴びて


バイトの都合とかあるからさ、たった一泊しかできないんだけど。
そこ曲がったら晋助の実家、って言いながらヅラが招待してくれたのは、郊外の住宅地でも、ちょっと大きい一軒家がたくさん並んでる一角。もしかしてヅラも晋ちゃんも、お坊ちゃんですかァ?…あ、いや。
一番は辰馬だった。
ヅラが里帰りしたこの日は、地元のお祭りの日だってんで、浴衣着て一緒に行こうって話になったんだけど、銀さんは正直、バイトのパー子の時に着た女物の浴衣しか持ってないんだよね。
そうしたら、『いいんじゃないか?俺もヅラ子の時のやつ着よう』って。お前さ、実家なのにそれでいいのかよ!自慢の長男の女装なんて親御さんひっくり返るんじゃねェの?って言ったら、どうせ実家に誰もいないから大丈夫なんだって。両親は両親の実家に帰ってるからって。

それを聞いた瞬間、ヅラが本当に、銀さんの休息のためだけに実家に連れてきてくれたんだってことがわかっちゃってさ。真剣に嬉しすぎて、抱き着いて泣いちゃった。さすがにストーカーだって、ここまでは来ないだろって言うんだもん。ヅラの実家の、この広い家に、今は2人しかいないから。銀さんは声も我慢しないでわんわん泣いちゃった。

「ヅラ、大好き」

泣き顔のまんまキスしたら、まだ明るいのにムラムラしてきちゃったんだけどさ、『じゃあ着替えるぞ』ってヅラに言われて、ぐっと飲み込んだんだ。まぁ、まだ夜もあるもんね。

一応銀さんもヅラも、浴衣は自分で着れるんだけど(ねェさん達に仕込まれました)、帯だけはお互いのを締めっこして。銀さんは淡い水色の浴衣、ヅラは深い緑色の浴衣で2人でちゃんと手繋いで出掛けたんだ。もちろん、5本の指、絡めてだよ。

りんごあめにチョコバナナ、綿菓子って、甘い物たくさんGETして、銀さんもぅ本気で幸せ!ついうっかり、現実のこと忘れちゃいそうなんだけど…。今日1日だけは忘れちゃってもいっか。

「あっち行ってもいいか?」
「いいよォ」

出店が並ぶ通りから外れてヅラが向かった先は、神社だった。

「ねェ…ヅラァ」

なんか、暗くなってからの神社って、ちょっと怖いんですけど。ここの神社のお祭りだからってさ、一応薄明かりはついてるんだけど、銀さんたち以外には誰もいない。銀さんは、ぎゅうっとヅラの手を握る力を強くした。

「この当たりでいいか」

家を出た時からずっと持ってた買い物袋の中身はなんと缶ビール。ベンチに腰かけて1本渡してくれたヅラと乾杯して。2人きりになりたかったんだって言われて嬉しかったんだけど、なんだか恐くて、ずっとヅラの手を握ったままだった。

「小さい頃は、よく晋助と来たんだ」

いつから一緒に来なくなったんだったかな…って、星空を見上げながら話すヅラ。銀さんも釣られて空を見上げたんだけど、やっぱり東京よりずーっと空が広いよ。今、銀さん達を見てるのは、もうちょっとで真ん丸になりそうなお月様だけ。

「途中で歩くの疲れたーって、泣き出したりしてな、アイツ」
銀さんさ、ちょっとだけ、晋ちゃんに嫉妬しちゃった。今更わかってたことだけどさ。きっとヅラはお兄ちゃんだからさ、泣き虫晋ちゃんをおぶって帰ったりしたんだろうなって思っちゃって。

「いつからか、祭って言うと喧嘩の場みたいになってな、アイツは」
なんだかそれって、すっごい晋ちゃんらしい。あんなにちっこいくせにね、負けん気だけは人の3倍。いや、5倍?

「晋ちゃんのことよりヅラの話知りたいー」
早速1本目を飲み干して2本目に入る。ヅラも、ほとんど同じペースで飲んでるから、たぶんビール6本くらい瞬殺なんですけど。

「俺は普通だったからな。特別面白い話なんてないぞ?」

言われてみればそうだ。ヅラなんか絶対、ずーっと真面目な優等生だったっぽいもんね。

「その、ずーっと普通だったヅラが、今は銀さんと、付き合ってくれてるのって、本当不思議なんですけど?」
これは夢なんじゃないかって。いつかこの夢は覚めてしまうんじゃないかって。

「なんだ、俺がそんなに信用ならないか?」
「そういう意味じゃないってば」
ヅラがちょっとムッとした顔になっちゃった。あ、ヤバイ、銀さんなんか、変なこと言った?

「だって銀さん、今が幸せ過ぎて、時々怖くなっちゃうよ」
缶ビールを置いてヅラの肩に両手乗せて。顔を見ながら話したら、ヅラの方からキスしてくれた。

「こんなとこで…。罰当たるよ?」
「大丈夫だろう?」
今度は銀さんからキス。何回も何回も唇を重ねてたらさ、だんだん変な気分になってきちゃった。

「銀時…どうも家まで我慢できそうにないんだが」
「えっ?」

言いながらもう、ヅラの手は、銀さんの浴衣の裾を割って入ってきてる。

「ちょ、ちょっ、ヅラっ!」
「ヅラじゃない、桂だ」
さっきまで聞き流してたくせに!

「なんだ、お前もじゃないか」
「だっ、だからっ!」

ヅラにそうやって触られてたら、いつまでも収まらないでしょっ!銀さんの息子を撫でながら、またキスしてくるヅラ。ちょっとお前、本当に反則!我慢できなくなるよォ!

「銀時、こっち来い」
急に腕を引っ張られて。荷物はそのままでいいって言われて、連れてかれたのは境内の裏手。

「銀時…」
塀に押し付けられて、唇塞がれながら下着の中にまで入ってきたヅラの手。ちょっとまさか、こんなところでするつもりじゃないでしょうね?

「んっ、んぅっ…」

なんでこんなにノリノリなのさ?銀さん外でなんかしたことないんですけど?ってか、ローションも何か持ってないんだから無理だって! 銀さんの動揺なんかどこ吹く風で、下着をずり降ろしたヅラはしゃがみ込んで銀さんのを舐めてくる。

「ゃっ、ゃだヅラっ!こんなとこ、恥ずかしいって…」
いつ誰が来るかわかんないよォっ。

「その割にはこんなんじゃないか」
「ゃぁっ…」
舐めながらしゃべるなって!

正直さ、付き合い始めてからヅラってばどんどん上手くなっていくからさ。銀さん、我慢できなくなって早々とヅラの口の中に出しちゃった。

「ごめっ、ごめんヅラ…」
「これだけは慣れんな」

苦そうに顔をしかめながら銀さんの白い濁液を口から手の平に吐き出して…。やべっ、そんなのAVでしか見たことないって!

「銀時、これ、使えるよな?」
「へ?…どういうコト?」
銀さんの精液『使えるよな』って、何考えてんの?

その答えはすぐにわかっちゃった。銀さんの精液を取った手を、銀さんの大事なとこに押し付けてきたから。

「ちょっ、ちょ、ヅラ……んっ」

銀さんの中にヅラの指が入ってきて息を飲んだ。もうさ、確かに銀さんも我慢できなくなっちゃってたのは事実だけどさ。
舐めっこくらいで、とりあえず収めるモン収めて帰ってからなのかって思ったのに、ヅラはここで本番までやっちゃうつもりだってのが、わかって銀さんはヅラにしがみついた。

「ゃだよぅ、ヅラ、恥ずかしいよぅ」
「大丈夫だ、こんなとこ誰も来ない」

それより力抜けって言われて、ヅラの肩に押し付けてた顔を上げさせられて、キスされて。うわァ、もう、超苦いキス!…って、そりゃ銀さんのですけど。

だいたい、誰かが来るかもしれないから恥ずかしいとかじゃないんだけど…。でも、そんなこと今から言ったって、頑固なヅラがここまできて、この行為をやめてくれるはずなんてなかった。

「だいぶ解れてきたか?」

ずるっと銀さんの中から指を抜いたヅラがさ、胸元の財布の中からゴムを取り出して、さっさと自分の下着ずらして装着してしまった。銀さんが『ヅラのを舐めたい』って言う暇もない程のなんつー手早さよ。あ、銀さんと付き合ってる間に慣れたのか。

「銀時、後ろ向け」
「ゥン」

その前にもう一回キスだけして。やっぱ外でするなら立ちバックしかないかって思いながら、銀さんは後ろを向いて塀に上半身を押し付けた。バックってさ、ヅラが見えないから嫌なんだよね。

反り返る程、おっきくなってたヅラのがゆっくり銀さんの中に入ってくる。やっぱちょっとローション無しだと痛くて、呼吸が止まっちゃいそうだったけど、そんなことしたら余計ツライから、なんとかして息を吸って。

「ァっ、…んぁアっ、ィいっ」
ぎゅうってヅラに後ろから抱きしめられて、ヅラのが全部入ったんだってわかった。

「銀時、動いていいか…?」
(ゾクゾクゾクっ)

何、今の?

この体勢だとさ、銀さんの耳のすぐ後ろにヅラの顔があって。低い声が直接鼓膜に響くみたいな感じがして、銀さんの背中の産毛が全部泡立ったみたいな気がした。

「んっ、動いて…ヅラ」
銀さんの腰を、両手で抱えたヅラが前後に動きはじめる。銀さんは、握りしめた両方の手のひらとほっぺたを、塀に押し付けて、与えられる快感に必死で耐えるだけ。

「んぁっ、んぅっ、ァっ、ァあっ、ヅ、ヅラぁっ!!」
お願いだから銀さんのも触ってって、喘ぎながらなんとか訴えたら、やっぱり耳元で低い声が響いた。

「すまん」
ってかさ。この体位って、ヅラの声がめちゃくちゃ近くに聴こえるって、それだけじゃないの。銀さんの耳に、ヅラの熱い吐息がかかって、それがすごく、息が荒くて。

「はぁっ、ハァっ、はァっ…」
いっつも銀さんが受け身やるときってさ。銀さんばっかり喘がされてヅラは涼しい顔で。まぁ、今更『ヅラは気持ちいいと思ってくれてんのかな?』なんて言わないけど、だから恥ずかしかったし、泣きたくなったし。

(でも、違ったんだ)

すぐ近くで聴こえるヅラの息遣いが熱いから、結構ヅラも限界が近いのかなって。ヤバいよ銀さん、さっき一回イっちゃってるのにさ、もう、心ん中きゅうんってなってきて、また気持ち良くなってきちゃった!

「ぁっ、ハァっ、んぁ、ふっ、ヅラぁっ」
「銀、時っ、イっても、いいか…?」

聞こうと思った同じ言葉をヅラの口から聞いて、銀さんは必死で頷いた。

「アっ、ぁあっ、んふっ、あああ…っ」
今日一番奥を貫いたヅラの中心が銀さんの中でどくどく脈打ってる。ヅラの右手は2回目の精を放った銀さんのを握ったままだったからさ、左腕だけでピクピク震える銀さんを後ろからぎゅうっと抱いてくれたヅラの、早鐘を打つ鼓動を背中に感じる。

お互いに、乱れた呼吸が整っても、銀さん達はしばらく動けなかった。

「ねェ、ヅラ…」
中からヅラが出て行って、力が抜けて銀さんはペタンと座り込んでしまった。銀さんの手を取って支えながら、ヅラが立たせてくれる。

「余計、ヒドくなったの、銀さんだけ…?」

家まで我慢できないからって、青姦なんかしちゃったわけなんですけど。なんか余計、ヅラともっとしたくてもっとしたくて我慢できなくなってきちゃったんですけど?

「そう…だな…」
とりあえず2人共下着だけは履いたんだけど。ヤバいよ、もっといっぱい、ヅラと触れ合いたい。ヅラとエッチしたい。

「とりあえず帰るか」
返事のないヅラの顔も、ちょっと赤いってことは、銀さんと同じ気持ちだって思っていいのかな?

さっきのベンチのところに戻ったら、飲みかけの温いビールまでそのまんまになってた。本当に大丈夫だったんだね。

銀さんとヅラは罰が当たらないようにって、神社の神様にお詣りして。なけなしの千円もお賽銭入れたんだから許して下さいっ!

もちろん空き缶も全部片付けて、銀さんは、しっかりヅラの右手を握って、やっぱり来た時と同じように手を繋いで帰った。

違うのは、銀さんの右手にある綿菓子とりんごあめと、それから。え?チョコバナナなんてもう食べちゃったよん。溶けちゃうでしょ?そうじゃなくて、さっきの、最中の大発見だよ!銀さんの気持ちが、ちょこっと違うの!

ヅラの実家に帰った後は、2人一緒にシャワーを浴びて、それから。

結局この日は、2人共一睡もできなかった。


END



拾萬度第五弾は桂銀「青姦」です〜!!罰当たりでしたね2人共…(汗)ヅラが口から白いの出すシーンは、自分でもいいのか?と思いました(笑)エロすぎだよコタっ!!

ってか、せっかく女装なのに活かせてない…






















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