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腰にバスタオルを巻いてリビングに出ると、先にお風呂から上がっていた辰馬が手招きしていた。

マンニィ


Tシャツ1枚と下着だけでソファに座って。読んでいた本を置いて眼鏡を外し、両手を広げた辰馬にゆっくり近づいていって、求められるがままに膝の上に乗った。まだ火照ったままの俺の身体とは対照的に、エアコンの効いた室内にいた辰馬の手はひんやりと冷たくて。

「晋」

名前を呼ばれて、抱きしめられて、唇が重なって。いつもいつものことながら、どうして俺は、キスだけでこんなに感じてしまうんだろう。
舌を絡め取られながら、辰馬の指が俺の胸の飾りを押し潰す。

「んっ…!んんっ」
爪をたてられて鋭い痛みが刺すように広がって。だけど、唇を塞がれたまんまじゃ悲鳴を上げることもできない。

俺が、あまりの痛さに泣き出す寸前まで爪を立てたら、今度は優しく撫でるように、俺のピンク色の突起は辰馬の指に弄ばれる。
キツイ痛みと、じんわり広がる快感は、元々火照っていた俺の身体なんて、あっという間に飲み込んで支配してしまう。

「ぁっ、ンアっ、たつ、ま、こっちも…」
左側だけしか弄ってもらえていなかったことが物足りなくて、俺は自分から、俺の背中を支える辰馬の左腕を自分の右胸に持って行った。辰馬に支えてもらわなくても、ちゃんと姿勢を保っていられるように、辰馬の首に両腕を回して。

「ほんに、晋はいつから、こんな淫乱な子になったんじゃ?」
辰馬の左手の指が俺の右の突起を思い切り捻り潰す。痛い、痛い、痛い。痛いけどそれが気持ちイイ。

「ふっ、んくっ、あああ…っ」
辰馬のせいだ!と言ってやりたいのに俺は返事ができない。
だって、俺の口からは、喘ぎ声しか出てこないから。辰馬の首に両腕を回してしがみついて。痛みと一緒に内側から押し寄せる快感に、必死で耐えることしかできない俺。

「ホレ、ちょっと腕離しィ」
俺の脇の下に両腕を入れて支えて。辰馬の舌がツツーっと俺の首筋を這っていった。

「ぁんっ!んァあっ!」
首筋は最初から俺の性感帯。甲高い声を上げながらビクビク背中を仰け反らせる俺に、いつも辰馬は満足そうで。鎖骨の下に這って行った舌はやがて、さっきまで指で弄ばれていた突起に差し掛かる。

思い切り噛み付かれる痛みを期待して、俺は身体を強張らせた。

カプッ

「んんんーっ!!」

痛みを快感に変える術を覚えてしまった俺の身体。辰馬に頼んで、毎日毎日快感を求めて貧っていたら、皮が剥けて最初の頃よりも一回り大きくなってしまった俺の乳首は、俺の淫乱の証。

「いっ…たいっ!も、ダメ…っ」
涙混じりの声で訴えると、辰馬はようやく歯をそこから離し、舌と唇で包み込むように優しく丁寧に舐めてくれる。

「アっ、んあっ、うはっ、ァあっ、気持ちいいっ」
この瞬間がたまらなく気持ちいい。身体の奥がジンジン痺れてくる。

「ああ、辰馬っ、もっと、もっとっ、もっと痛くしてっ」
今、前に触られたら、間違いなく一瞬で出てしまう。だけど、辰馬も。俺は、腰に巻いたバスタオルの下で明らかに熱を持ち始めた辰馬の中心に気付いている。ああ、早く辰馬のを入れて欲しい、辰馬と繋がりたい、辰馬とひとつになりたい。

だけど、俺のそんな浅ましい願いとは裏腹に、辰馬は前戯に一番、時間をかけるタイプだってのが俺にはわかっていて。

「んんーっ!…ぃゃぁ痛いー!痛くて気持ちいいっ、もっと、もっと、っ、い、いいーっ!」
俺が泣き叫ぶまで乳首に噛み付く行為を、右と左交互に延々と繰り返されて。たぶん、時間にして30分以上俺は泣かされ続けているだろう。

「んぐうっ…!!駄目ぇっ、辰馬許してっ!痛い痛い痛いっ!もう無理ぃっ!許してェっ!」
首に回した俺の腕に力が入らなくなってきたことを敏感に辰馬は感じ取ってくれているから、だから安心して身体を任せてしまうことができる。そして、あまりの痛さに泣いて許しを請う俺の限界を悟ったのか『晋、えいよ』と、耳元で囁かれ一層強く乳首を潰されながらバスタオルごしに中心を撫でられたことで。

「んあああっ、イヤ、イクっ…!」

俺は呆気なくバスタオルの中に1回目の精を放ってしまった。バスタオルごしにしか触られていないのに。

「さ、終わりにしよっか」
「!!…なんで…っ!」
まだ荒い息をなんとか整えていたら、辰馬がいきなりそんなことを言い出して。

「なんじゃ?晋は、これからどうして欲しいんじゃ?」
かあっと、耳まで真っ赤になったのが自分でわかって俺は俯いてしまう。最近、辰馬に言わされるんだ。沖田と土方が持ってきたSMビデオを2人で見てからなんだけど。わかっていて、それでもやっぱり言わされることで、普通にするよりもずっと興奮してしまっているどうしようもない俺がいる。

「言えないんじゃったら、終わりかの?」
辰馬は俺を膝の上から降ろそうと、軽く俺の身体を持ち上げた。

「いやっ!言います!言うからっ!」
「何をじゃ?」
見つめた辰馬はニッコリ笑っている。笑っているんだけど、なんだろう。最近、沖田に似てきてない?

「た、辰馬のを、俺の中に入れて、いっぱい突いて欲しい、ですっ」
言ってからますます恥ずかしくなって、もう俺は辰馬の顔を見ることができない。

「よくできました」
バサっと、俺の1回目の精液を吸い込んで、重たくなったバスタオルを床に落とされて。膝に力を込めて腰を浮かせた俺の秘部にはローションを取った辰馬の指がすんなり入ってくる。

「晋、もしかして自分で馴らしてきたんか?」
「ァ…、ハッ…」
辰馬の首にしがみついて小さく喘ぎながら、俺はこくこく頷いた。俺はすぐにでも入れて欲しくて堪らなくて、中を洗うついでに、3本の指で入口を完全に拡げてきていた。

「ほー。お風呂で自分で弄くって。何想像しとったんじゃ?」
ふるふると、何も変なことは考えていないと俺は首を横に振ったんだけれど。

「言えないんじゃったら、指だけでイカせてまうよ」
「いっ、嫌っ!…ンアっ!」
辰馬の長い指が俺の前立腺を的確に刺激してくる。そうなんだよな、辰馬は、俺以上に俺の身体のことは知り尽くしてしまっているから。

「たっ、辰馬、の、んっ、おっき、いの、で、ぐちゃぐちゃに、ぁ、して、ぁ、ァあっ、ほし、くてっ、そればっ、んくっ、かり、考え、てっ、ぁ、自分でっ、ぁ、しま、し、たっ」

辰馬は前立腺への刺激を止めてはくれないから。ぶるぶる震え、喘がされながら、なんとか言い切ることができた。

「ほんに、晋助は淫乱じゃね。自分の指突っ込んで感じとったんじゃろ?」
「ああ、いやっ!言わないでっ!ごめんなさいっ!辰馬がいいっ」
「ま、今回は許しちゃるぜよ」
ずるっと俺の秘部から辰馬の指が引き抜かれて。下着をずらして取り出された辰馬の中心の上に、俺の腰を落とされた。

「んアアア…っ!」
俺の全体重が繋がった箇所にかかって、一気に俺は硬く反り返った辰馬自身を飲み込んでゆく。

辰馬にしがみついて、酸素を求めて浅い呼吸を繰り返す俺の腰をしっかりと掴んで。やっとひとつになれた余韻にひたる時間も許されないまま、辰馬は下から、激しく俺を突き上げた。

「晋は、1回出しとるんじゃから、我慢の」
「い、いや、っ!む、無理、無理っ!」
もう、今すぐにでもまた達してしまいそうなのに。それに、辰馬は、イっちゃ駄目だと言っておきながら、首筋を舐めたり、ジンジン腫れて何もしなくても痛みの残る乳首を指で弾いたり、俺の中心を扱いたりしてくる。もちろん、激しい腰の動きはそのままで。否が応でも俺の中の快感は高まってゆき、どんどんと昇りつめてゆく。

「ゃぁっ、たつ、まっ!イっちゃう、イっちゃう!」
俺が叫んだ瞬間、辰馬がぎゅっと俺の根本を握り絞めた。
イク寸前のところで止められて、開放されなかった俺の精子が出口を求めて暴れまわっている。

「わしはまだっちゅーとるじゃろ?」
中心を強く握ったまま辰馬は俺の上半身をソファの上に投げ出した。

「晋助の大好きな正常位で、いつまで我慢できるかの?」
半泣きで首を横に振る俺の片脚を抱えて。辰馬はまた、激しい抜き差しを繰り返す。

「無理、無理ーっ!辰馬、イカせて、イカせて、イカせてっ!…んアアアアっ!」
俺の中心を握っていた辰馬の手が、狭いソファの上で体勢を立て直そうと緩んだ一瞬。
俺は自分のお腹の上に欲をぶちまけてしまっていた。

「あーあ。どうしようかの?」
「ぁぅ、た、つま…」
辰馬の口調は、あくまでも優しい。だけど、その優しい言葉に、俺は返していい台詞をひとつしか教えられていない。

「お、お仕置き、して下さいっ」
「仕方ない子じゃ、晋は」
辰馬の言葉は絶対だ。ずるりと俺の中から引き抜かれた辰馬の巨根は、まだまだ全然イキそうになくて、こんなに大きいのが自分の中に入っていたのかって、毎回思い知らされるようなモノで。

俺の身体を抱き上げた辰馬は寝室に移動して、俺はベッドの上に乱暴に放り出される。

「両手、後ろに出しィ」
今から始まるのは辰馬の言い付けを守れなかった俺へのお仕置きなんだ。そう考えたら、俺の頭の中で、なにかが弾けていく。
ベッドの上にきちんと正座して、俺は両方の手首を合わせて後ろに高く上げた。沖田や土方と、4人でセックスするようになってから、この部屋にもアダルトグッズが結構増えた。
もちろん、あいつらみたいな本格的な責めの道具(例えば蝋燭とか鞭だとか)は、辰馬が嫌がって買ってこないんだけれど。

今、俺の腰あたりで装着されているのも、ボタンを留めるだけの簡単な作りの手枷。だけど、俺はこれを自分で外すことができない。

それから、胸を張るよう命令されて。鎖の両端に繋がった締め付けを調節できるクリップ型の責め具で乳首を挟まれる。普段ならかなりきつく潰されても、痛くて気持ち良くて全然平気なんだけど、さっきまで俺の望みのままに噛み付かれて、メッタメタに痛めつけられていた乳首は、ちょっと触れられただけで激痛が走る。

「辰馬、痛い、痛いっ!」
「その痛いのがえいんじゃろーが?」
言いながらぐぐっとネジをもう一巻き。

「んんーっ!痛い痛い痛い痛い痛いーっ!」
「それで感じとる変態は誰かのう?」
俺の淫乱な乳首が丸い原型を失う程潰される激しい痛み。だけど、変態だなんて言われるだけで本当にますます感じて痛みを求めてしまう俺。そう、こんな俺を満たしてくれるのは辰馬だけなんだ。

だから、もっと期待に応えてあげないと。俺が頑張って辰馬の命令通りにこの責めに耐えると、辰馬はすっごく優しく褒めてくれるから。

「辰馬ァ、もっと、んアぁ…、はぁ…っ、痛めつけて…、もっと…。痛くて気持ちいいよぉっ」
更なる痛みを欲しながら俺の中心は、そんな恥ずかしい欲望を口にする羞恥心で興奮して、休むことを知らないかのように熱を持って完全に勃ち上がる。

「ほんに、しょうがない子じゃの。こんなにデカくして」
辰馬に中心を指で弾かれた。ああ、やだ、恥ずかしい、辰馬にこんないやらしい姿、見られてる。両手を後ろで拘束された俺には前を隠すことなんてできないから。

更に色が変わるまで乳首を締め潰されて、俺は自分でねだったくせに、あまりの痛みに唇を噛みながら泣いた。早く辰馬に入ってきてもらわなきゃ、耐えられない、死ぬと思った。今はまだ辛い痛みは、辰馬とひとつになってこの身を貫かれた時、激しい快感に変わるんだ。

「晋、泣く程気持ちえいんか?」
「ぅ…、ぅぅ…、はい」
俺からお願いしたのだから『はい』としか答えられない。それに、尋常じゃない辛さの痛みだけど、今の段階でも気持ちいいのは、半分くらいは事実。

「ほんに、どうしようもないの」
仕上げに俺の身体を仰向けに倒して、そそり勃った根本をぎゅっと紐で縛り付けて。

「わし、ホンマは縛るのは嫌なんじゃって、いつも言うとるじゃろ?」
「ご、ごめんなさいっ!でもっ、俺っ…」
縛ってもらわなきゃ、また俺は1人勝手にイってしまうから。辰馬の言い付けを守れないから。
完全にイクことができなくなって、ふるふると身悶える俺に、更に辰馬は追い打ちをかける。

「あんまりワガママ言うちょったら、先っぽにローター貼り付けるぜよ」
ぶんぶんと、俺は思い切り首を横に振った。イケない状態でそんなことされたら、間違いなく俺は狂ってしまうと思った。

「わしも、たまには晋の中でイキたいんじゃよ」
たっぷりのローションを手に取りながら辰馬が囁いた言葉に身体の奥が熱くなった。いつも、俺ばっかりが、何回も達してしまうから。体力のない俺を気遣って、辰馬があんまりイケないってのは本当のことで。

「ごめんなさい、辰馬」
「ま、わしはカワイイ声が聞けたらえいんじゃけど」
俺の腰を抱えて辰馬が入ってきた瞬間、ぎゅうっと左乳首のクリップを摘まれた。

「ひぎゃあーッ!!」
反射的に俺は叫びながら辰馬をきつく締め付ける。

「ああ、晋、気持ち良すぎじゃア…」
辰馬が漏らした声が嬉しくて、泣きそうになる俺はきっと、どうかしてるんだろう。

あとはもう、部屋の中に、辰馬が腰を打ち付ける音と、ベッドが軋む音、辰馬の腰の動きに合わせてじゃらじゃらと鳴る鎖の音、俺の喘ぎ声、それから時々俺の悲鳴だけが響いていた。

「かはっ、んぁっ、ァぁあっ、たつ、っ、アアいいっ、うはっ、…んぐっ」
何度も何度も体位を変え、挿入の角度を変えながら俺を攻めたてる辰馬。

「うはあっ!痛い痛いっ痛い、いいーっ!」
時々鎖を引っ張られて乳首が限界まで延ばされると、俺は痛くて気持ち良くて叫んでしまう。俺の声で興奮するらしい辰馬は、気分が高揚してくると俺に質問を浴びせ掛けるんだ。

「ほら、晋。どこがいいんじゃ?言うてみィ」
「ぁっ、はっ、お尻っ、中がいいっ、熱い、辰馬のが熱いィっ!当たるっ、おかしくなるっ!」

腕の自由を奪われ、敏感な部分には気持ちいい痛みを与えられ、イクこともできない俺は、ただ泣き叫んで喘ぎを漏らすだけだった。俺に恥ずかしい言葉を言わせることで興奮してくる辰馬に、もっと激しく攻めて欲しくて、快感を貧りたくて。

「気持ちイイのはケツだけなんかァ?」
「んあっ、違うっ、あっ、んはっ、乳首が、気持ちいいですっ!感じちゃうっ!もっと潰して、壊してェっ!」
ここまで乱れた俺は、もう微塵も痛みなんか感じない。あるのはひたすら辰馬に与えられ続ける快楽だけ。

頭がおかしくなりそうだけど、こうやって、我慢させられたまま追い立てられ、恥ずかしい言葉を言わされるのは、狂いそうなくらい感じてしまって、俺は好きだった。
ほかのものでは絶対に得られない強烈な快感。それに、さっきからすごく呼吸が荒い辰馬も、乱れた俺の姿見て、きっと興奮してくれている。感じてくれている。
だから俺は、喘ぎ声を我慢したりはしない。ねぇ、辰馬。もっともっと俺を狂わせて、おかしくして。
欲望のままに、激しくこの身を貫いて。もう、他のことは何にも考えられなくなるくらい、俺を壊して。

「晋、…イクぜよ」
長い時間をかけて、ようやく昇り詰めた辰馬が思い切り、俺の中の一番奥を貫く。
それと同時に、俺の中心を戒めていた紐が解かれ、おまけに鎖を引っ張られて無理矢理クリップが外され、乳首が引き千切れるんじゃないかというくらいの激痛と絶頂感が一緒にきた。

「ンアアァァァァァーっ!!」

辰馬の熱い飛沫を身体の奥深くに感じたのを最後に、俺の意識はどこかへ飛んでしまっていた。

***

「晋、ごめんの」
余韻にひたりながら、失神してしまった晋助の手枷を解いてやった。

痛いことや苦しいことはあまり好きではない。だから、ここまで激しく痛みを与えて抱いてやるのは、晋助の身体の負担も考えて月に2回までと決めていた。
そうすることで、その時も、それ以外で普通に抱き合う時すらも、積極的に自分を求めて、乱れて行く晋助が愛おしかった。
晋助の喘ぐ声を聞けないと、なんだかスッキリせず物足りないとまで感じてしまう最近の自分。

涙でぐちゃぐちゃになった晋助の顔を拭いてやっていると、いきなり寝室の扉が開いた。
「!!」
慌てて布団をかけて、晋助と自分の下半身を隠す。

「やっと終わったがか?」
姿を見せたのは陸奥だった。

「なっ、なんで、おんし…」
「阿呆、ヤルなら鍵くらいかけておけィ。…しかし、イカ臭いのぅ」
散々玄関チャイムを鳴らしても出てこなくて。試しにドアノブを回したら鍵が開いていたと、なんでもないことのように陸奥は言い放った。

「おまんらが外にまで聞こえるような声で何やろうと構わんがの」
自分達のセックスが終わるのを、陸奥はずっとリビングで待っていたらしい。

「しかし、なんじゃ陸奥?今日は…」
「とっくに暴風警報なんぞ解除されて、学校は午後から通常通りやっとるんじゃが」
「は?」
慌てて窓の外を見ると、まだ空は暗く、雨も降っているものの、昨夜から続いていた台風による猛烈な風はなくなっていた。

「そんなわけで今日5限のゼミも通常通りじゃ。何回電話しても出んから、迎えに来たぜよ」
「アッハッハー、そうじゃったんかァ」
今日はどうせ、季節外れに上陸した台風4号の影響で1日中、大学は休講になったものだとばかり思っていた。だから、1日中晋助と、イチャイチャする時間ができた、もういっそ、今日は1日中2人とも裸ですごそう!…なんて思っていたのに。

「しかしのー、陸奥ぅ。わし、いくらゼミでも、失神した晋助を置いては行けんぜよ」
布団の中に、大事な子の姿は隠したままそっと頭や顔を撫でてやっている。誰にも、この子の裸なんて見せたくないのだ。

「そう言うと思ったぜよ」

それじゃあ、と言って、あっさり陸奥は帰って行った。
とりあえずパンツだけを履いて玄関まで陸奥を見送る。今日のプリントは、きっと今週中には届けてもらえるだろう。大学4年にもなると、なかなか学校に行く日数が少なくて、陸奥とも毎日会うというわけには行かなくなってきている。

「鍵くらい閉めろ、ボケェ」
「ハイハイ、わかったぜよ、すまんのー」

今度はきっちり鍵を閉めて。さて、晋助が目覚めたら、今度はどんなことをして感じさせてあげよう?そんな思いを巡らせながらリビングに戻って携帯を確認すると、陸奥からの着信は26件も入っていた。

携帯を閉じようとしたところで、メールを受信する。

『ところでおんしら、いつからSMになったんじゃア?…程々にの』

こんなメールを送ってくる陸奥は絶対にドSだと思う。ああ、そうか。だから昔からこんなに近くにいたのに、恋愛感情は芽生えなかったんだろう。それにきっと陸奥のことだ。これで、自分の浮気が極端に減った理由も理解してしまったに違いない。晋助じゃないと満たされない、完全に出した気にならない、最近の自分。

メールには返信を送らずに。だんだんと自分色に染まってゆく晋助と、そんな晋助に確実に溺れている自身の実感を噛み締めながら、固く絞った冷たいタオルで気絶したままの晋助の、汗だくの身体を拭いてやった。


END



密かに台風ネタ。どんどんドMとして開花していっちゃう晋ちゃんと、そんな晋ちゃんにどっぷりハマってS技を磨いて身につけて行く辰馬、平然と寝室に入れちゃう陸奥が書きたかったのでした(爆笑)
タイトルで台風ネタだとわかった方はスゴイです!マンニィ=台風4号の名前。何かを間違えたら、続きを書いてしまいそうです、この話…。書いてしまった続きは「イタリアン・ミルフィーユ」です



※これを書いた時ちょうど、季節外れの台風4号『マンニィ』が上陸したんだそうなw




















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