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まさか本当に付き合ってもらえるなんてさ。思ってもみなかったってそれが銀さんの本音だって言ったら、お前はどんな顔するんだろうね。

LOVE LOVE LOVE


「ねぇヅラぁ。今日さー、泊まりに行ってもいいー?」
辰馬が学校に来ていない昼休み。3人だけでいつものテラスで昼食をとる。高杉も、最近は1人で電車に乗れるようになってきてて、本来週に2日くらいしか授業がない4回の辰馬は、ほとんど学校には来ない。それはもちろん、同じ4回のヅラもそうなんだけど。

「来ればいいだろう?」
さも当たり前のことのように返したヅラは、何かを思い出したように鞄の中に手を突っ込んで。

「ほら。今日はバイトだからな。遅くなるかもしれないから、先に行ってろ」
ヅラが鞄の中から取り出したのは紛れも無く合鍵ってやつ。ステファンっていう、白いオバケみたいなキャラクターのキーホルダーがついていたのがなんだからしくて笑えてしまった。

「これ、銀さんが持ってていいの?」
「当たり前だろ?別れた時に返せよ」
「もー、別れる話なんかしないでよ」

やっと付き合い始めたばっかりじゃないのよ、俺達。

「あー、なんか複雑ー」
テーブルの上に肘をついて頭を乗せただらしない格好で、ぼやいたのは高杉だった。

「お前ら、ホントに付き合ってんだなー」
「なによー、晋ちゃん今更」
「晋ちゃん言うんじゃねェ」

ぷいと横を向いてしまった高杉の気持ちもわからなくもない。だって高杉とヅラは幼なじみで、生まれた時からずっと一緒にいて、しかもヅラってば高杉の初恋の相手。その当時、男なのに男が好きだって、どうしても言えなかった高杉は、ヅラはもちろん周りの誰にもカミングアウトすることができず、当然ヅラに告ることなんてできなくてに諦めたって過去があるんだから。

ゲイの世界になんか全く無縁だったヅラの環境が変わったのは大学生になってから。たまたま執行委員会で知り合った辰馬に惚れられて半年くらいは『1回でいいからヤらせてくれェ』って迫られ続けたらしい。
どういうわけか、そのまま仲良くなった辰馬とつるんでいたら、辰馬の周りにはゲイとかバイばっかり。要するにヅラは俺や高杉が入学してくる頃にはもう、辰馬といた2年間でいろいろ見慣れちゃってたってワケ。

高杉と辰馬が付き合うことになって、それで初めて俺もヅラも、高杉がゲイだったって知ったんだけど。実はヅラは、ほんのちょっとだけ、高杉は坂本のことが好きなんじゃないかって気付いてたって言うんだから、ノンケの勘っていうかさ、お兄ちゃんの勘って、なかなかのものだと感心したんだよね。

「いいじゃないのさ、お前には辰馬がいるでしょ」
「そうだけど…」

大好きなお兄ちゃん取られたみたいな気がして複雑だって。それは2人でいる時に、高杉の口からはっきり聞いた。ホントにもう、高杉ってそういうトコが女っぽいんだよな。ネコだから仕方ないか。ましてや高杉は、俺がホントは辰馬のことが好きなんじゃないかって、相当早くから気付いてたらしいから尚更複雑なんだろう。乗り換えたのかって思われても仕方ないもんね。

とにかく、周りがそんな環境でも、『俺はノンケだ』って頑なに言い張ってたヅラに、銀さんが初めてキスしてやったのは、辰馬のマンションでの飲み会の時だった。とっくに高杉と辰馬は付き合ってて一緒に住んでてさ。最初から相手にされてないのは知ってたけど、それでも銀さんは辰馬のことが好きだったから。
つかず離れずっていうか、4人でいれたらいいやって感じだったんだけど、なんかその時、辰馬に抱き着いたまま寝ちゃった高杉の姿が目に焼き付いてて眠れなくて。

辰馬もホントに大事な宝ものを守るみたいに優しく高杉の身体を抱いて頭を撫でてやってたもんだから苦しくて。そんなに好き合ってる2人の仲を邪魔したいとか奪いたいとまでは思わなかったんだけど。

なんだかちょっと辛くて銀さんはヅラの隣で布団に潜り込んで、泣いた。だってこんなこと、誰にも言えねーしさ。

ヅラに背中を向けて縮こまっていたら、俺の様子が変だってことに気付いたのかヅラが起き出して。その時、100パーセント自分のためだけに、抱き着いて強引にヅラの唇を奪ってやった。
結構ヅラも酔っ払ってたみたいで、その時の記憶は全然ないんだけど、なんにも聞かずに頭撫でてくれたりしてさ。銀さんは、あれでちょっとだけ救われたんだ。

あれからずっと、今でも辰馬のことは好きだけど、ヅラのおかげで、ヅラが居てくれたおかげで高杉には嫉妬しなくなってきてる。辰馬のことは、まだ吹っ切れてないんだけど、それでも今は普通に友達になれてるんだと思う。

駄目元で『高杉のお兄ちゃん卒業して、俺のお兄ちゃんしてくれない?』ってヅラに告白したら、意外なことに返ってきた返事はOKだったんだ。確かに、半ば無理矢理ヅラのこと襲う形でセックスしたことが何回かあったから、ヅラも銀さんならいいやって思ってくれたのかもしれない。

そして、こうやって付き合うことになってから、日増しに俺の中でのヅラの存在ってのが大きくなっていって。

今はもう、俺の中では一番大切な人になっている、桂小太郎が。

***

3限目の授業が始まる時間になって、俺と高杉はヅラと別れて教室に向かった。今年は、高杉とほとんど全部一緒の時間割だから多少サボったって、高杉がノート貸してくれるから楽勝なんだけど。頼ってばっかりなのも悪いし、せめてヅラが学校に来てる時くらいは…って、昨年よりマトモに授業に出てるかもしれない。

「晋ちゃん晋ちゃん。どーしよ、銀さん合鍵なんて初めてもらっちゃったァ」

まだ先生は来てないから。俺と高杉は2人で3人分の席を取ってダラダラ喋っていた。さっきヅラにもらった合鍵を指に引っ掛けて、プラプラ揺らしてみる。なんか、ステファンさえ超可愛く見えてきちゃうくらい、すげー嬉しいんだけど。勝手に頬が緩んじゃうよ。

「誰が晋ちゃんだ!」
いちいち否定するんだもんな、幼なじみってやっぱり似るのかも。ヅラもいちいち『ヅラじゃない、桂だ』って否定するもんな。

「銀時、お前。…小太郎泣かすようなことしたら、許さねェからな」
わざわざ身体ごとこっちを向いて。真剣な顔で高杉が言うもんだから、こっちも合鍵を見ながらにやけるのをやめて高杉に向き直った。

「何それ?保護者気取りですかァ?」
「そんなんじゃねーよ!」

高杉と辰馬が付き合い始めた時も、ヅラが似たようなこと辰馬に言ってた気がするんだけどね。幼なじみって、ある意味最強。

「別にヅラは、晋ちゃんのモノってわけじゃじゃないでしょー?」
「そりゃ、そうだけどよ…」

もういい加減お兄ちゃん離れしてよって言いたかったけど、そんなわけにもいかないんだよね、この子は。

「安心しなよ。銀さん、本気でヅラのこと好きなんだからさ」
「だったらお前、ヅラとか呼ぶなよな!」

小太郎嫌がってんじゃん?って。わざわざあだ名で呼ぶのって、銀さんとしては愛情表現の一種のつもりだったんだけどさ、高杉には不評みたい。

先生が教室に入ってきて出席を取ってからも俺達は小声で話し続けていた。授業の内容は、半分くらいしか聞いてなかったけど、『日本文化論』なんて名前の授業で、先生が好きな映画の話してるだけだから、あんまり支障はない。ほとんど全部古ーい映画の話だから、確かに『文化』だとは思うんだけどさ。

「だいたいお前さァ。辰馬のことはどーなんだよ?」
あー、もうこの子、変なトコ鋭いから嫌なんだよ。痛いとこ突くんだから。

「好きだけど、どうこうしたいとか、お前から奪おうだなんて思ってねェって」
「辰馬のこと好きなくせに小太郎のことも好きだっつぅのかよ?」
うわ、それって、高杉に一番言われたくないんですけど?

「じゃあ何?お前はもうヅラのことは何とも思ってないっつーの?百歩譲って、ヅラのことはいいとしてもさ、河上君のことはどーなのよ?」
「っ…。それは、お前…」
ほーら、やっぱまだ引きずってんじゃん。

河上君ってのはさ、高杉が高校の時に付き合ってた彼氏で、今は京都に住んでる。高杉と河上君は、嫌いになって別れたわけじゃないらしくて、未だに河上君は高杉のこと『好き好き』言ってるし、高杉も正直引きずりまくってる。昨年、プロのミュージシャンとしてデビューした河上君の曲を聴いては高杉が泣いてるって、辰馬から何回か相談されたことあるんだよね。

未だに泣く程好きなくせに、忘れられないくせに。

それでもお前は銀さんから辰馬を奪ってったじゃないのって、これは銀さんの勝手な言い分だけど。小さくて可愛い系の子にしか興味がない辰馬は最初っから、銀さんなんて目に入ってなかったんだからさ。でも、『あの辰馬に大事にされてんだから、他の男のことなんか忘れちまえよ』って、銀さんが言いたくなるのは、たぶん間違ってないと思う。

「でも、俺。辰馬が好きだって気持ちでは、お前に負けてねェと思ってっから」
しばらく黙ってると思ったらさ、そんなこと真剣に考えてたの?晋ちゃん。

「当たり前でしょーが!銀さんに負けてる程度の気持ちだったら、別れちまえって言ってるから」

それにね、晋ちゃん。

お前は、ヅラのことお兄ちゃんだと思ってて、大好きなのかもしれないけどさ、銀さんだってヅラのこと大好きなんですよ。お前が想ってる気持ちには全然負けてないって、自負してんだからね。

結局俺達は、授業が終わるまでずっとお互いの彼氏の話ばっかりしてて。ほとんどノートなんて取らなかったんだけど…。ま、1回くらいは大丈夫かな。

4限目の『Oral English』は普通に授業を受けて。2人並んで校門まで歩く。銀さん原付き通学なんだけど、高杉1人で電車に乗せて大丈夫かな?とりあえず駅までは原付き押して、一緒に歩いてやっか、…って思ってたら、高杉の携帯が鳴った。

「なんだよ?……ハァ?……なにお前、もういんのかよ?……わかったって」
誰からの電話か知らないけど、辰馬ではなさそう。

「晋ちゃん電車1人で大丈夫?」
通話が終わって。ヘルメットを被ったまま原付きを押して歩きながら銀さんは聞いてみた。
昨年の秋に、5人がかりでレイプされてから対人恐怖症になっちまった高杉は、半年くらい1人で電車に乗れなかった。電車だけじゃなくて、ガタイのいい人間ってのは無条件に怖いらしくて、学校の中でも何回か倒れてるし、夜中もうなされたりしてたみたい。未だに、運動部のクラブハウスには絶対近づかない。
理由が理由だからさ、辰馬なんか自分の時間割に関係なくずっと高杉と毎日登下校してたしさ、辰馬1人じゃ手が回らない時は、銀さんやヅラや、土方君なんかもついてあげてたんだよね。

「ぁあ。大丈夫だぜ。1人じゃなくなったしな」
高杉は左手に持った携帯電話をプラプラ揺らしながら。

「また子。メシ行こうって。もう、ホームで待ってるってよ」
「あらら、デートじゃない、女の子と」
「別に嬉しかねーよ」

そりゃそうだろうけどさ。高杉は、女に全く興味がない上に、また子ちゃんってば元彼の河上君の妹だからね。高校を卒業して、専門学校生になったまた子ちゃんは、辰馬のマンションでの飲み会にも、ちょこちょこ来るようになって銀さんもよく知ってる。

「ほんじゃ、また明日ね」
「おー」
大学の最寄り駅のロータリーで、銀さんは高杉と別れた。原付きで真っ直ぐ向かうのはヅラの部屋。

***

ドキドキしながら、一応玄関チャイムを鳴らしてみる。授業の後はバイトだって言ってたヅラが帰ってきてるわけないんだけどさ。やっぱり反応なんかなくて、銀さんは恐る恐るもらったステファンつきの合鍵を鍵穴に差し込んだ。何の抵抗もなく鍵は回って。

「マジで来ちゃった…」

この部屋に来るのはもちろん初めてなんかじゃない。辰馬んとこ同様に、数えきれない程遊びに来た。だけど、家主のヅラがいない時に来たのは初めてで。

相変わらず白でまとめられて、小綺麗に片付いたヅラの部屋は、真面目すぎる程の性格が滲み出ている。

途中のコンビニで買ってきたいちご牛乳やお茶のペットボトルとプリンを冷蔵庫に入れて。ヅラがいつも座っているのだろうパソコンデスクに座ってみる。本棚には難しそうな法律関係の本とか六法がズラリ。文学部の銀さんには全く無縁のもの。

そーっと、そーっとヅラのベッドの上に乗ってみる。これも今更ってくらい、ここでは2人で寝たんだけどさ。もちろん、付き合うようになる前から。枕元のステファン人形は、銀さんが前にUFOキャッチャーで取ってきたやつ。ちゃんと大事に置いてくれてんだもんな。それだけで、泣きそうなくらい嬉しいだなんて、きっとどうかしてる。

ぽふっと俯せにベッドに倒れ込んでみたら、枕からはヅラの髪の毛とおんなじいい匂いがしてた。

「あー、ヅラの匂いだー」
好きだって伝えたいだけなのに涙が出ちゃうって歌ってたのは誰だっけ。

高杉とあんな言い合いしてたからかな。銀さん、自分がこんなに弱い人間だなんて知らなかったよ。なんだかヅラの匂いのするベッドがすごく落ち着いて、心地良くて。銀さんはしばらくそのまま、動けなかった。

***

バイトが終わって、終電近い時間にマンションに帰ったら、さっそく合鍵を渡してやった銀時の靴が玄関にあった。晋助が家出してくる度に、その期間だけ使っていた合鍵だが、こうやって誰かにあげてしまうのは初めてだった。

狭い1Kの部屋で、どうせテレビでも見るくらいしかやることがないだろう…と思っていたけれど、部屋の中は真っ暗で。電気もつけずにどうしたのかと思ったら、銀時はベッドに俯せで眠っていた。一体、いつから寝てるのだろうか。

ベッドの端に座って、小さく丸まって眠る銀時のふわふわの頭を撫でてみる。普段は、何を考えているのかわからないような行動が多い銀時だが、こうやって、ただ眠っている姿を見ると、やはり年下なのだな、と思えてくるから不思議だ。

頭を撫でてやっているうちに、その銀時の目尻に、白い跡が残っていることに気付いてしまった。白い跡といえば、よく坂本と喧嘩して家出してきた晋助にもついていて…。そう、すなわち涙の跡だ。

晋助はともかく、まさか銀時が泣くだなんて。いや、そういえば前にもこんなことがあったような気がする。あれはいつだった…?全く思い出せない。

「銀時…」
軽く名前を呼んでやると銀時は、うっすらと瞼を上げた。

「……ヅラ?」
だからヅラじゃないといつも言っているのに。いつも通りの名前で俺を呼んだ銀時が、俺の腰のあたりに腕を回す。

「なんか、いつの間にか寝ちゃったみたい」
上半身を起こした銀時が俺の背中に頭を押し付けて、ピッタリとくっついてきた。

「そうか。…ご飯は?」
「何も食べてない」
「何か作ってやるよ」

キッチンに立ち上がろうとしたが、銀時が抱き着いて離してくれなかった。

「まだいいから、もうちょっと…」
いっそう、身体に回された腕の力が強くなって、少し驚いた。銀時が、こんなに甘えてくるとは全く思わなかった。甘えられること自体は、自分としては慣れているし、苦痛でもなんでもないのだけれど。

「ねー、ヅラぁ」
「ヅラじゃない、桂だ」

まったく、何度言わせるんだか。口癖になりそうだ、銀時のせいで。

「ご飯なんかいらないから、ヅラが食べたい」
(は?)
今コイツ、なんて言った?

「ねぇ、合鍵までもらってさ、付き合ってるってことはさ」
くっついたまま、ずるずるとベッドの上に座り込んだ銀時。これで完全に、俺の背中と銀時の胸から腹にかけてが密着している。

「銀さんはァ、ヅラと、エッチしたいって言ってもいいんだよね?」
「銀時…」

何を言ってるんだ!と、言ってやりたかったけれど、背中にくっついたままで表情の見えない銀時の、俺の肩に回された指が小さく震えている。今更、そんなに緊張しなくても、お前は何回か俺を無理矢理押し倒して上に乗ってきたことがあるじゃないか。それこそ付き合うことになるよりも前からだ。だから、銀時が、何をそんなに震えているのか、俺には理由がわからなかった。

「銀時」
震える銀時の指を取って振り返る。慌てて顔を背けたように見えた銀時の目尻に透明な雫があったような気がした。

(こいつ、なんで泣いてんだ?)
まったくもって理由が思い当たらない。なんだって言うんだ。

俺は銀時の顎を掴み、強制的にこっちを向かせるような形を取って。銀時の唇に己のそれを重ねてやった。一瞬驚いたようではあったが、すぐに銀時の方から舌を入れて絡ませてきて。今度は正面から抱き合う形になる。2人とも、服を着たままベッドの上で抱き合うっていうのは、なんだかすごくエロいような気がした。

***

目が覚めたらヅラがいた。っていうか、ヅラが起こしてくれた。おまけにここはヅラの部屋でヅラのベッドの上で、ご飯まで作ってくれるって、間違いなく言ったよね?

やばいよ、こんなのって、幸せ過ぎて死んじゃいそう。
しかも、銀さんがエッチしたいって言ったらさ、拒まれなかったどころか、ヅラからキスしてきたんだけど。

ヅラのシャツを引きはがして、つるつるの肌に舌を這わす。本当は、ちゃんとゆっくりゆっくり脱がせてあげたかったけど、止まんなくて無理矢理ボタンを引き千切っちゃった。

「…んっ、く」

脚を開いた状態でベッドに座らせたヅラの中心を口の中に含んで。舐めながら、自分で長袖Tシャツを脱いで下着ごとデニムを降ろして、KYゼリーをつけた指で後ろを解す。

ヅラは、今はなんにもしてくれなくたっていいんだ。後で銀さんの触って欲しいけど、元々ノンケなんだからさ、それで十分なんだよ。

「銀時」
真っ赤な顔で熱い吐息を漏らしていたヅラが銀さんを呼んだ。口をヅラから離して目線を上げたら、脇の下に腕を通されて、抱きしめられて、キスされた。

「俺は、なんにもしなくていいのか?」
痛いくらいに自身を張り詰めさせちゃってさ、ちょっと辛そうなヅラが銀さんの耳を舐めながら囁いた。

「んっ、大丈夫、今は…」
銀さんあんまり性感帯ないんだよね、実は。そりゃ、サオとか中は気持ちいいんだけど、乳首とかでさえ、あんまり感じないからさ、わざわざヅラの手を煩わせたくないわけ。

ある意味、高杉みたいに全身どこ舐められても気持ちいいって羨ましい。
ヅラとなら、これだけ感情がこもってるんだから、もしかしたら舐められたら気持ち良かったりするのかなぁ、とは思ったんだけどさ。ホラ、女の子だって好きな人とヤル時は濡れ具合が全然違うって言うじゃない?

大学来てから、女の子となんて付き合ったことないけどさ。
乳首や二の腕あたりを舐めてくれてたヅラに、我慢できなくなっちゃって銀さんは言っちゃった。

「ヅラ、もー、入れて」
「大丈夫なのか?」
「うん、もう解したから、ゆっくりなら。もー、来て」

ベッドの上で四つん這いの体勢を取らされて。熱く猛ったヅラのモノが宛われて銀さんの中に、本当にゆっくりと入ってくる。

「ぁっ、ああっ、んあああっ…!!」
中に全部入ってから。腰を掴まれて、ガンガン突かれたら、いくら頑張って声を我慢しようとしたって、出ちゃうモンは出ちゃうんだ。枕に顔を押し付けて、それでもなんとか我慢しようとするんだけど、中のイイところをヅラが抉るたんびに背中が仰け反って銀さんの口からは、はしたない声が飛び出して。

「ヅ、ヅラっ、触って、っ、前っ!」
「ぁあ、…わかっ、た」

激しく動いてるせいか、ヅラも息が上がってきてる。両手で抱えていた銀さんの腰から片手を離して、ヅラの右手が前に回って背中にキスされた。
ヅラの唇が押し当てられた場所が熱いよ。

「ァっ、はぁっ、あんっ、うはっ…」
やべ、銀さんそろそろ限界。腰の動きは激しいそのままで、同調するみたいに前を扱かれてるんだもん。

「ぎ、んときっ、そろそろいいか?」
「ぁ、うっ、銀さんもっ、ダメ」

銀さんの途切れ途切れの声を聞いたヅラがぐるっと身体を入れ換えて、俺達は向かい合わせになった。

「ヅラっ、好きっ…、大好きっ!」
「銀時…」

夢中でヅラの背中に腕を回してしがみついて。貧るように唇を重ねたまま、銀さんは先にイっちゃった。どくんとヅラの身体が強張ったのを感じて、それから中に熱い飛沫。

お互いが達してからも、離れたくなくて銀さんはずっと、ヅラにしがみついて唇を貧ったままだった。がっくりと倒れ込んできたヅラの体重が心地良くて。布団みたいにあったかいヅラの身体を抱きしめて、ずーっとキスしたまんまでいたら、ヅラが頭を撫でてくれた。

ああ、どうしよう。幸せ過ぎて、ホントに涙止まんない。どうか、キスしてる間だけでも、ヅラが瞼を閉じていて、銀さんが泣いてることがバレませんように…。


続く




なんか銀時可愛すぎかなー(苦笑)ご飯に行った高杉&また子話に続くのでぃす(実は一番書きたかったのは次の話)タイトルはドリカムです。しばらくこのシリーズ続きます。






















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