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目覚めると隣には誰もいなかった。

そうだ 京都、行こう・2 岡崎-平安神宮篇


町屋作りの奥行きが広い建物の中。わけもわからず、自分の居場所もよくわからぬまま歩を進む。なぜか本能的に惹かれて近くに寄ったは1つの部屋。僅かに開いた扉の隙間から、中の様子が見えた。

中には男と女がいた。男は、女の膝の上に頭を乗せて髪を撫でられ、明らかに甘えた様子で。

「晋にも見せたかったのぅ」
その男とは、誰あろう坂本辰馬だった。女の顔は、俯いていてよく見えない。

(何やってんだお前っ!)
襖を開いて、中に押し入ろうとした刹那。自分の腕が透けていることに気がついた。柱も壁も、貫通してしまう己の身体。

(なっ…)
「この子は晋の生まれ変わりじゃき…」
なんだそれ、なんだそれ、なんだそれ!

「ええ、きっとそうね…」
真っ暗になった視界。後のことはよくわからない。

***

ハッとなって、自分にしては有り得ない程にハッキリと、一瞬で目が覚めた。漫画やアニメならば、叫びながら起き上がるあの状態なんだろう。

視界に映るのは真っ白で模様も何もないただの天井。左を向いて右を向いてようやく、そこにいつものモジャモジャ頭を発見した時、俺は泣きそうになった。

不思議な町屋の感覚がまだ焼き付いている。瞼を閉じればまた、あそこへ行ってしまいそうなほど鮮明に。
恐る恐る伸ばした手に触れるはいつもの辰馬の肌の感触と、体温。

「た、つ…」
ゴソゴソと布団の中をずっていって、上を向いたまま眠っていた辰馬の身体に腕と脚を巻き付けてしがみついた。

時刻なんざ知らないが、これならもう一度眠れるかもしれない。そんな、ちょっとした安心感を感じ始めた時、ぐるっと半身がこちらを向いた辰馬の太い腕に肩を抱かれて引き寄せられた。

「晋…、泣いちょるんか?」
俺とは違って目覚めの早いヤツだ。起きた瞬間からもう、いつも通りの声で俺を呼ぶ。

「お前がっ、名前なんか間違えるからだっ」

あんなところでキレることはできねェと思ったから。なんとかして飲み込んだつもりだった衝撃が、本当は自分の力ではどうにもならないくらい強いものだったんだって、あんな夢なんかに見ちまったのはそのせいなんだってことが、俺にはもう、わかっていた。

「晋、ごめんの」
腕枕の要領で、俺の首の下に左腕を通した辰馬に、いっそうきつく抱きしめられて、俺は思い切り泣いた。

辰馬の中にはまだ、先輩がいるのかもしれないなんて、考えたこともなかったのに。
いや、考えないようにしていただけか、俺は。

鳴咽が治まるまでひたすら泣いて泣いて泣いて。その間辰馬はずっと俺を抱いて頭と背中を撫でててくれて。やっと落ち着いてきてから気付いたことだけど、ここはラブホの一室なんだと思う。バーで飲んでた途中からの記憶はない俺だけど、明らかに今自分と辰馬が着ているのは、ラブホに備え付けのパジャマだとわかったからだ。

涙には、なんらかの感情を司る物質が含まれていて、泣くと結構すっきりするんだっていうけど、それは本当かもしれない。泣きたいだけ泣いて、辰馬に抱いててもらって。俺はようやく夢の中の光景が薄らいできているのがわかった。

「ここ、ドコ?」
「んー?岡崎のホテルじゃき。晋が潰れてもうたきに、とにかくタクシーに乗せてのう」

冬の厚着と、俺が潰れてたおかげで、男同士だってことは一切気付かれず、咎められることもなく入れたらしい。喋らなきゃ女に見えるってか、チクショー。

辰馬に抱かれたまんま起き上がったら、やたら広すぎる部屋の端にマッサージチェア、やたらデカイ液晶テレビ、それにこの場所からは先が見えない廊下。辰馬のヤツ、馬鹿だからきっと一番高い部屋選んだんだろうな。

「風呂、入る」

言ったら、黙ったまんま立ち上がった辰馬が廊下の先に消えて。すぐに聞こえてきたお湯を湯舟に溜める水音。

「お前、この部屋1泊いくらだよ?」
ベッドの上に座ったまんま待っていた俺のところに、灰皿と新しい煙草を持って戻ってきた辰馬に、聞いてやった。

「んー?…確か1万7、8千円じゃき」
「……あのなァ」

ラブホなんて普通1万円あれば泊まれるだろうが。それだけ出せば、そこそこいいホテルに朝食付きで泊まれるっつぅの。俺が潰れてたし時間的にビジネスホテルは厳しかったのかもしれないけど、なんだってお前はそう、一番高い部屋選ぶんだ。広い部屋じゃなきゃ嫌だなんて我が儘言ったことねェぞ、俺。

寝起きの1本をふかしながらそんなことを思ったけど、どうせ辰馬には言っても無駄だから口には出さなかった。

冷蔵庫から出してきたお茶を飲んで、2本目を吸い終わる頃にはお湯は溜まって、案の定『一緒に入ろう』と辰馬が後ろから抱き着いてくる。パジャマのボタンを外した隙間から手が入ってきて、肌を撫でられて。

「痛ッ…」
「あっ!」

まさか今日こんなところにいるだなんて、昨日の時点では夢にも思ってなかったわけだからさ。昨日の日曜日は、昼過ぎに俺が起きてからずーっと、2人で家にいて…ってつまり、ヤリまくってたってことなんだよな。

「晋、大丈夫がか?」
「うん、たいしたことはない」

しかも昨日ヤリまくってたってのはさ、2週間に1回の恒例になりつつあるっていうアレ。
つまり、辰馬に縛られて痛めつけられて、俺が泣き叫ぶまで辰馬が責めるっていう、プチSMの日だったわけだ。前に、いきなり沖田に『もう使わねェからあげまさァ』って言われて貰ったクリップと重りのセット。それを使って、限界まで痛め付けられていた俺の乳首は、シャツが擦れるくらいだったら大丈夫だけど、触られたらまだちょっと痛い。

だけど、俺の身体ってのは本当、どうしようもねェ作りになっててさ。昨日の痛みが引かない乳首に辰馬の手で触られてさ。感じちまったりなんかしてるんだよな。

「辰馬ァ」
もちろん辰馬もわかってるはずで。ゆっくりボタンを全部外しながら首筋に唇を押し当ててきたりなんかしてて。パジャマを開けさせたまんま後ろから伸びてきた辰馬の手で、下半身をまさぐられたら、もう腰が砕けたみたいに自分では立てない。

昨日、メッタメタに責められた割には我慢させられててさ。2回しか出すことを許してもらえなかった俺の中心は、辰馬の手の中でガン勃ちになってる。

「やだ、辰馬っ、出ちゃう…っ!」
「うん、えいよ」
耳元で囁かれた低い声に、ゾクリとした。

俺は箍が外れたみたいにもっと気持ち良くなりたくて、強い快感が欲しくて、俺の腰の辺りで俺の身体を支えていた辰馬の左手を痛みの残る胸元に持っていく。触って潰して欲しかったけど、昨日があるから辰馬は緩く撫でるだけで。仕方なく俺は、辰馬に触られてない左の胸を自分の指で思い切り捻り潰して。

「んアァっ…」
激痛が脳天まで駆け巡るのと同時に、俺は絶頂を迎えて辰馬の手の中に白濁液を吐き出していた。
ビクビク身体が痙攣するみたいに震えるのを見て辰馬が呆れてるのがわかっていたけど。

「…ほんに、晋はエロいのう」
ティッシュで自分の掌と俺の中心を拭きながら呟くように言った辰馬の声に、頬が紅潮するのがわかる。

「もー、今日はせんつもりじゃったのに、わしも我慢できんくなったぜよ」
ひょいとお姫様抱っこで身体を抱き抱えられて。ベッドからは見えなかった廊下の先にはやっぱり、馬鹿広いバスルーム。なんだけど、その途中に、張り付けの十字架と、診察台が置いてあって。おい、なんだってこんな部屋選んでっ、馬鹿辰馬っ!

「たまたま入ったらあったんじゃけどのぅ。せっかくじゃけど、あれは今日は禁止じゃき」

それは辰馬からの、今日は痛くしないからという宣言。ちょっと残念な気もしたけれど、あんなので2日連続拘束されて責められたら、明日観光するどころじゃない、体力のない俺が動けなくなることなんてわかりきっていた。

抱えられたまま、盛大にピンク色のお湯を溢れさせて湯舟に2人で浸かって。

「晋、こっち向いて」
「んー?」

温かさにボーっとしていたところを呼ばれて、なんとか振り向いたら、辰馬に唇を重ねられた。
結局俺って、辰馬とこうしていられるのなら、他の細かいことなんかどうでもいいんだよな、なんて。単純すぎる自分の頭ん中に呆れながらも、俺は辰馬に身を委ねた。

***

SMにならない時の俺と辰馬のセックスで、俺が何をするかって言うと。まァ、一言で言やァ、寝てるだけ、なんだが。それにしても、その、『ただ寝てるだけ』ってのが、とんでもなく大変だったりするわけだ。

「ぁっ、んはっ、んくっ…」
「晋、カワイイ」

耳から首筋、そして鎖骨のラインをずっと舐めている辰馬。飽きもせずにずっと舐めながら、俺がカワイイだのキレイだの。そんな歯の浮くような台詞を何度も言えるんだ、多分コイツは心の底から本気でそう、思っているに違いない。

とんだ大馬鹿野郎だ。

「ぅはっ、た、っつま、もっと、強く…っ」
「駄目じゃって。今日は痛いことはせんの」

胸の飾りを、優しく舌で転がされるだけで感じるヒリヒリとした痛み。もっとキッツイ痛みが欲しくて俺は駄目だと理解していながらも、声を上げてねだってしまう。俺がこうなるのが辰馬にはわかっているからなのか、SMをやった後の、翌日の月曜日ってのは、いつも絶対エッチなし。時間があったって、キスして部屋着のまま抱き合って、イチャイチャして手を繋いで眠るだけ。

「晋、キレイじゃよ…」
「馬鹿っ、何言っ…ああっ」

持ち上げられた太腿の内側から膝、そしてふくらはぎへと這っていく辰馬の舌と唇。くるぶしから足の指を1本ずつ丁寧に口の中に含まれて、俺はくすぐったさの中に同居する快感に身体を震わせた。

「そんなとこヤダぁ…」
「晋のはキレイだからえいんじゃよ」

10本の指、全部を舐め終わった後は、今度は逆の脚を上がってくる。膝の裏とか、なんでこんなとこが気持ち良いんだろうって、毎回思っちまう。

ゆっくりゆっくり這い上がってきた辰馬は、まずは嚢の方から舌を這わせたり吸い付いたりしていってさ。

「んァア…っ」
とっくに先走りでトロトロになってる先端を辰馬の舌で掬い上げられて、口の中に含まれて。

「ぁっ、ぁっ、ぁあっ」

苦しくないのかなって思う程喉の奥まで俺を突っ込んだ辰馬に、口の中全体を使って中心を舐め上げられる。裏筋に吸い付いてくるみたいな舌の動きは、何回真似してみようと思ってやってみてもなかなかできなくて。どうなってんだろ、辰馬の舌は。とにかく、俺だって何年もネコやってんだから、下手じゃないはずなんだけど、辰馬の舌技には勝てない。気持ち良すぎる。

これ以上舐めたら俺が達してしまうギリギリのところまで舐められて、辰馬の口が離れたと思ったら今度は両脚を高く上げられた。

嚢の下から入口の辺りを、尖らせた舌で執拗に舐められて、俺も散々喘ぎ声を上げてさ。もう早く入れてくれよって、恥ずかしげもなくわめいちまう寸前で、冷たい感触と一緒に辰馬の指が俺ん中に入ってくる。

旅行に行くには小さすぎる辰馬の鞄の中には、財布と携帯と手帳くらいしか入ってなかったんだけど、そんな状態でもしっかり、ローションだけは忘れないってとこが辰馬らしいってか、最低っつぅか。しないつもりでも一応持ってるってところが本気で馬鹿だと思う。

昨日も散々ヤってるからさ、そんなに慣らすのに時間はかからないってのに辰馬は慎重で。じっくり3本指で慣らされて指が抜かれていよいよ辰馬が俺ん中入ってくるってわかった瞬間、俺は期待に身体を震わせた。

「晋、えいか…?」
「んっ…」
いちいち聞くなってんだ馬鹿。

入口に宛われた辰馬のデカイ中心がぐっと俺の中に入ってくる。辰馬はいつも、俺ん中はキツイって言うんだけど、辰馬がデカイだけだと思う。もちろん、何にもしてないわけじゃないけどさ。家事の間中、爪先立ちで力入れて締まるようにしてるだなんで、辰馬には絶対内緒。

「んああ、ああっ…」
「晋、晋っ、…力抜き…っ」
「無理、無理っ!やってるって!あああん」

ぎゅうっと抱きしめられたまま唇を重ねられて。始めはゆっくりだった辰馬の腰の動きがだんだん速くなって目眩がしてくる。もう、頭ん中真っ白、イイとこを抉られるたんびに気持ち良いってことしかわかんない。

「ぅっ、んんっ、んふっ…」
唇を塞がれたまんまじゃ喘ぎ声は鼻に抜けるだけ。まともに呼吸をすることもできなくて、それがますます俺の中の快感を煽って、もう辰馬しかわかんなくなる。それでも辰馬はキスも激しい動きも止めてくれない。

(辰馬、やだ、駄目、イクっ…)
自分の腹と、辰馬の腹筋に挟まれて中からも刺激を与えられ続ける俺の中心は、とっくに限界を訴えていた。

辰馬の首に両腕を回して必死でしがみついて。ただ与えられる快感に揺さ振られ続けることしか、もう俺にはできない。

***


「やだぁっ、辰馬っ、死ぬっ、壊れるっ!」
晋助の身体は麻薬のようなものだと思う。

付き合い始めてから1年と何ヶ月、何度抱いても決して飽きることがないのはどうしてなのか。自分の手にしっくり馴染むような肌、すっぽりと腕の中に納まる細さと小ささ(本人に言ったら怒るだろうが)、これだけしていても尚、きつく自分を締め付けてくる内側。

そして何より一番は晋助の声だ。本来は嫌いだったはずの痛い、熱い行為も、晋助の悲鳴のような喘ぎ声と『もっと、もっと』とねだる言葉にやられて、今ではそれほど抵抗がなくなってきつつある。別に晋助は、痛みがなくても感じられるのだから、わざわざそんなことしなくてもいいだろうに…と思うのだが、縛られたり噛まれたりしたいらしい。どうしても。痛いのが気持ちいいんだと言われても、未だ半信半疑のままであるが、晋助の望みならば、ある程度は叶えてやるしかない。

「いやあっ、たつっ、ま、痛いっ、壊れるっ、んああっ、死ぬ…っ!」
「晋、もうちょいじゃ…」

それだけじゃない、こうやって、普通に抱く時の最初の押し殺したような喘ぎ声。恥ずかしいのか両手で口を塞いで、その隙間から僅かに漏れてくる吐息。それすらも自分をここまで欲情させ、のめり込ませるのだ。晋助の声を聴いているだけで感情はどこまでも昂ぶってゆく。

一度達してしまってからも離れたくなくて、その細い身体を抱きしめていたら、なんだかもう一度したくなって。そのまま抜かずの2回戦に突入。泣きじゃくる晋助に、心の中で盛大に土下座しながら、膝が肩に着くほど持ち上げて、腰を打ちつけた。

「やだっ、んああっ、たつ、苦しっ、駄目…っ」
ここまでの間に3回は絶頂を迎えている晋助は、もう枕を掴む力もなくなって泣きながら喘ぐだけだった。本人の意思とは関係ないのか、それでも内側から全体を締め付けてくるこの身体。

中毒にならない方が、どうかしている。

「たつっ、無理、無理ィっ、…うあああああっ!!」

どくん、と己の中心が晋助の中で脈打って、再び熱い欲望をその中に注ぎ込む。大きく背中を仰け反らせた晋助も4度目の絶頂を迎えたらしく、がっくりと力なく倒れ込むと、小刻みな痙攣を繰り返していた。数回、深呼吸をしてから、涙でぐしゃぐしゃになった晋助の顔をタオルでそっと拭いてやる。

当分は起き上がれないだろう晋助の頭を抱き上げて、さっきお風呂に入る前に晋助が飲んでいたお茶を口に含んで、口移しで飲ませてやった。あれだけ声を出していたのだから、きっと喉が枯れただろうと思って。かなりの汗をかいた自分も、喉は渇いていたが後回しだ。

「辰馬の馬鹿っ!」
くったりと身体を預けながらも、鋭い視線だけは力を失うことなく自分に向けられる。

「抜かずの2発ってなァお前っ!無茶苦茶すんなっつぅの!」

ケツ裂けるって、壊れるだろうが、動けねェだろうが、お茶っ!とまくし立てるように怒鳴る晋助も可愛くて仕方なくてもう一度、口移しでペットボトルの中の温いお茶を飲ませてやった。

「温い」
「わしもそう思うぜよ」
「だったら新しいの出してこいよ」

晋助の頭を膝の上からゆっくりと枕に移して、冷蔵庫の中を確認しに行く。お茶はもう飲み干してしまっていて、とりあえず水のボタンを押して出した。

「水でもえいじゃろ?」 振り向くと晋助は、ようやくなんとかして上体を少し起こしたところで。慌ててベッドまで走って、枕を2つ重ねて身体の下に敷いてやった。きっと、それだけじゃ足りないだろうから、ソファからクッションを運んできて重ねて。これで壁とベッドの間に斜めに横になる楽な体勢を取れるだろう。

「辰馬、今、何時?」
「んー?今か、朝の10時過ぎってとこじゃのう」

チェックアウトは14時らしいから、晋助の体力が回復するまで、まだゆっくり休むことができる。

「10時って、美術館とか博物館も開いたじゃねェか」
疲れ切って動けないのがもどかしいのか、晋助が舌打ちをしたのがわかった。

「どっか、行きたいとこがあるんじゃったら、そこでえいんじゃよ?」
どうせ今日もいきあたりばったり、どこへ行こうかなんて、全く決めていないのだから。

「そんなん言ったって、今から鞍馬はキツイだろー」
「そーなんか?」
地理がよくわからずに応えたら、晋助に殴られた。それでも、今の晋助の力じゃあ、痛くも痒くもないのだけれど。

「確かここ、岡崎って言ったよなァ?」
「そうじゃよォ」

タクシーで、『とりあえずどこか泊まれるところへ連れていってくれ』と言ったら、『京都南インターと岡崎、どっちがいいか』と尋ねられたのだ。地理はよくわからなかったが、南インターと言うからには高速道路添いで、恐らく翌日の移動が大変だろうと考えて岡崎を選んだのだった。

***

辰馬がクッションを敷いてくれたおかげで、かなり楽な体勢が取れている。

「岡崎って言ったら平安神宮だよなァ」

南禅寺、永観堂から哲学の道か、三条通の方に歩いて昨日行けなかった青蓮院か。辰馬が持ってきた水をがぶ飲みしながら考えるけど、旅先で地図がないとなんて不便なんだろうか。確か京都御苑なんかも、そう遠くないはずだけど。京都は道が、ほぼ碁盤の目になっているから、方角さえ間違わなければ、迷うことはない。

さっき鞍馬なんて言ったのは、辰馬がどれくらい地理をわかってんのか確かめるためで、本気で行くつもりはなかった。案の定全くわかってないみたいだけど。ここで俺が、大原と宇治、なんて言おうもんなら、本気でタクシー飛ばしそうだから、なんとかして俺が行き先決めないと。

「平安神宮って、あのでっかい鳥居のとこかのう?」
「そうそう、お前知ってんの?」
「テレビで見ただけじゃき、行ってみたいのぅ」
「マジでー?」

平安神宮ってお前な、創建されたの明治だぞ?平安遷都1100年記念で造られたんだぜ?それだったら八坂さんの方がありがたみがあるだろうがっ!…って、辰馬に言っても仕方ないのかな?経営学科だもんな。これが銀時だったら少しは俺の気持ちもわかってくれるだろうけど…って思った瞬間に、俺は忘れていたすごいことに気がついた。

「辰馬、俺の携帯取って」
「お?ちょい待ちィ。…ほい、充電しといたぜよ」

いつの間にかコンビニで買ったなんでも充電器に射しておいてくれたらしい。ってか、そう言えば俺の煙草も新しいの買ってあったけど。いつコンビニ行ったんだ?

「どーしたんじゃあ?」
「いや、銀時って京都に住んでたんだろ?アイツ」

これからどこへどう行こうか、地図もなく地理もわかんねェまま悩んでるより、メールで聞いた方が早ェじゃねェか。
俺も行ってねェってのに、授業に出てないのか銀時からはすぐに返事が来た。

『晋ちゃんだったらさァ、哲学の道歩いて、南禅寺も永観堂も飛ばして大豊神社とか法然院とかお勧めだけどォ、辰馬も一緒でしょ?あんまりマニア路線もねェ。辰馬なら気にしないだろうけど、永観堂は11月だけ拝観料高くなるんだよぅ。

辰馬が平安神宮に行きたいって言うんだったらさァ、無難に円山公園とか行ったらいいんじゃないのォ?帰りも楽だよォ。明日は学校来るんでしょー?』

円山公園の先まで行くと、昨日行った当たりと被っちまうんだけど、やっぱりそれが一番無難か。仕方ねェ。明日の水曜日の2限は古典で和歌の授業だ。銀時が『明日は学校来るんでしょー?』と言ってきた理由はそこにある。まだ、本当に今日帰るのかどうかなんて決まってなかったけど。

「辰馬、風呂入って出る用意すんぞ」
「どこ行くか決まったがかァ?」
「とりあえず、平安神宮だろ?」

昨夜、タクシーに乗る前にコンビニに寄ったらしくて、辰馬は俺と自分の下着や靴下の一式は買っておいてくれていた。昨日履いてたやつは、全部ビニール袋にまとめて、俺の鞄の中へ。

ホテルを出てから平安神宮までは、10分とかからなかった。

***

平安神宮と言えば、谷崎潤一郎の『細雪』も、川端康成の『古都』もどっちも桜の話。
だから、紅葉見たさに来た俺達は神苑はいいじゃねェかってさ。飛ばしてお参りだけして次に行こうぜって思ったのに、辰馬はせっかくだから行ってみたいって。だってよォ、しつこいけど、俺が好きな平安時代にはこんなのなかったんだって。しかも御祭神は桓武天皇と孝明天皇ときてる。古事記に出てくるような神様じゃないんだぜ?確実に、歴史上に存在した人だってんだ、百歩譲っても、どうせ来るなら桜の季節だろって思いながら、俺と辰馬は神苑の中に入ってゆく。
ホラ、やっぱり桜の名所だけあって松ばっかじゃねェか…って思っていたら、説明書きが書いてあった。辰馬は読み飛ばして先に行ってしまう。

『南神苑
曲水の宴を想定した平安朝様式の庭園で、春には一面紅枝垂桜に覆われ、…』

ほうら、やっぱりな。春に来なきゃダメなんだって。

『…初夏のつつじ、秋の萩をはじめ、平安時代の文学書に現れる草花や樹木を植栽した「平安の苑」が設けられています。』

(…なんですと?)
南神苑の説明が書いてあった立て看板の先の順路はヘアピンカーブになっている。先に行った辰馬はもう見えない。

そのカーブを曲がった瞬間、さっきまであんなに馬鹿にしていた俺は心の底から土下座したくなった。

南神苑に植えられている全ての植物の下に小さな看板が着いていて、和歌や物語やなんかの一文が出てるんだって!

「おーい、しんー?」
日本最古のチンチン電車が飾ってあるところで、説明文を読んでいた辰馬が、急に走り出した俺をキョトンと見つめてたけど、それどころじゃねェ!例えばこんな感じ!

『ヒメコマツ 姫小松
まつ科
古今和歌集
ちはやぶる
かものやしろの
ひめこ松
よろづ世ふとも
色はかはらじ』

とりあえず写メだ写メっ!秋だからほとんどが花なんか咲いてねェけどさ、植物撮って看板撮って…!ヤバイ、枕草子も伊勢物語もあるじゃねェかァっ!!

「おーい、しんー?」
「辰馬、辰馬っ!アスナロだって!枕草子だぜ?こっちは伊勢物語っ!」

カジノキのところで、『源氏物語若菜下の巻』って書いてあるのを見てようやく、辰馬は俺が興奮しまくってる理由がわかったみたいだった。

「あ、そーゆー庭じゃったんかァ」
「お前気付くの遅ェよ!ホラ、葵だって。葵くらいなら知ってんだろ?」
「もちろんじゃきー。源氏の最初の奥さんじゃア」
「当たり」

源氏物語の漫画版『あさきゆめみし』は、1回の時に銀時が授業に着いて行けねェから貸してくれってウチに来て。その時、辰馬も小太郎もいてさ、なんでかみんなで読んでてさ。その前から辰馬は源氏物語を知ってたみたいだけど、みんなで散々、『どの姫が好きか?』なんて話をしまくったからわかるはずだった。

でもぶっちゃけ、俺は源氏物語より枕草子の方が断然好きなんだけど。彰子より定子派だし、紫式部より清少納言だろーが。

物語同士で比べてもさ、朧月夜とのスキャンダルで須磨に流された源氏よりも、女にフラれたくらいで『都にはいられない』って、三河から駿河、果ては武蔵や下総まで行っちまった在原業平の方が断然アツイと思う。

アレ…?なんか辰馬ならそれくらいやりそうな気がしなくも…。俺の好きなタイプって業平か?乾飯がふやける程泣きそうじゃねェか?自分から出てきたくせに『都鳥』って聞いて、都のこと思い出して泣いたりしそうじゃねェか?ホントは兄貴に連れ戻されただけなのにさ、鬼に食われたって、自分も露のように消えてしまっていたらよかったのになァなんて、言いそうじゃねェ?

写メを撮るのを止めてじーっと見上げる俺を、不思議そうに首を傾げる辰馬。別れるつもりなんてサラッサラないけどさ、俺から振ったら、どこまで傷心旅行に行っちまうのかわかったもんじゃない。

「どうしたんじゃア?晋」
「いや…。お前が在原業平に見えてきた…」
「ほぅ」

それはいい男って意味なんじゃろって。周りに誰もいないのをいいことに辰馬が思い切り後ろから抱き着いて来て。

「違ェよ馬鹿っ!」
「でもー、平安時代の美男美女と言ったら、在原業平と小野小町じゃろー?晋はきっと、小野小町より美人じゃけどのー」

抱き着いたまんま頬ずりしてくる辰馬。俺達の後ろから来たおばちゃんのグループが、眉をひそめてる。

「やめろって馬鹿!」
ついつい怒鳴っちまったら、しかめっつらで過ぎて行ったおばちゃん達がぎょっとした顔で振り向いた。あー、もう、あのおばちゃん達、絶対最初は男と女だと思ったんだ。俺の声聞いて男同士だってわかっちまってあの反応なんだ。クソ、それ以上見るんじゃねェ!見世物じゃねェぞ、コノヤロー!

なんとか辰馬を振り切って俺はまた植物の撮影を始める。桂の木があったから、これは小太郎に送ってやろう。

『カツラ かつら科
伊勢物語
目には見て手には
とられぬ月のうちの
桂のごとき君にぞ
ありける』

この先もずっと、こんな風に看板が着いてるのかと思ったら、これは南神苑だけらしかった。
次のエリアは西神苑。入ってすぐに、俺は喫煙所なんて素晴らしいモノを見つけてしまった。順路はここで、池の両端へ二手に分かれていたけど、問答無用で喫煙所の方へ。途中の看板に『指定場所以外での喫煙は禁止』って書いてあったからさ、どっかに絶対喫煙所があるんだろうとは思ってたんだけど。
だってホラ、普通は『境内禁煙』とかだから。ちゃんと禁煙所があるあたりがやっぱり、明治の創建ってことか。前の千円札の夏目漱石も愛煙家だし、五千円札の樋口一葉だって煙管を吸ってたんじゃないかって言われてるんだからさ。わかんねェヤツは『にごりえ』読んでみろって。

煙草を吸いながらぼーっと池の反対岸を眺めてみる。隣に座った辰馬は、周りに人がいないときだけ、俺の左手を握ってきて、じぃっと俺の顔ばっかり見てる。
せっかくの景色見ろよって言ってやりたいけど無駄だろうから放っておいた。西神苑は、南神苑よりは楓の木があって、真っ赤に紅葉してるんだけど、やっぱり緑色した木の方が多くてさ。松も立派だなァとは思うんだけど、当然、睡蓮の花は咲いてないし、花菖蒲だって。煙草を2本吸ってから、白虎池をぐるっと回って順路通りに進んだら、そこは本殿の真裏だった。神苑に入る前に見た地図によると、多分この辺がやっと神苑を半分来たところなんだろう。

次のエリア、中神苑へ来たら、また順路が二手に分かれてた。どっちでもいいんだろうけど、俺と辰馬はなんとなく左へ進んで。突然目の前に出てきたのは池を横断する飛石の橋だった。

「これ、渡ってえいんじゃろか…」
臥龍橋って名前は読めるんだけど、説明書きは雨に滲んでよくわからない。使われてる石の説明っぽいんだけど。

「渡っていいみたい、だぜ?」
だって、臥龍橋の説明文の横にはしっかり、こんな看板があったんだ。

『神苑拝観の皆様へ
臥龍橋を渡られる場合は
池に落ちないよう足元に
充分注意して下さい。
万一の事故等については
責任を負いかねますので
予めご了承下さいませ。
社務所』

つまり、渡ってもいいけど落ちても知らねェぞってことだろう?

「よっしゃあ!行くぜよ晋ーっ!」

看板の松の木のところから、勢いよく飛び出して行った辰馬が臥龍橋を渡っていく。どうせこうなるんだろうってわかっていたから俺も着いて行って。途中で立ち止まって見てみたら、池の外から見るのとはまた別の世界が拡がっていた。これで睡蓮の花が咲いてたら、ホントに綺麗だっただろうな、と思う。

「晋、晋。なんか『風雲たけし城』みたいじゃのぅ」
「何ソレ?…『筋肉番付』とかにこんなのありそうだよなァ」
飛び石を飛んで反対側の岸に到着。結構長かったなァ。

「晋、たけし城知らんがか?」
「知らねェよ。なんだソレ?」

辰馬が幼稚園くらいの時にやってたテレビ番組だとか。お前が幼稚園だったら俺なんか2歳とかその辺だろうがっ!なんでそんなもん覚えてんだ?って聞いたら、スカパーでやってるらしい。

「なんじゃ、わし、晋との年の差を感じるのう」
「2つしか変わんねェだろうがっ!」
また小さい飛び石の橋があってそれを渡って。少し進むと休憩所が見えて来た。

「辰馬ァ…」
「晋、休憩しよ!」

俺が言うより早く辰馬が休憩を提案する。そう言うと思ったけど。

休憩所の横にはまた喫煙所があって。ホントに親切に出来てんなァ、この神苑は。好きになりそうだぜ。

俺と辰馬は揃って和菓子と抹茶のセットを頼む。出てくるのを待ってる間に、中神苑の説明を読んでいたらこの池(蒼龍池)を囲んで『杜若』が群生してるんだって。光格天皇御遺愛の『折鶴』って珍種もあるそうな。光格天皇ってどの人だったっけ…?南北朝の時の北朝の人だったかなァ…?

それより杜若だって、かきつばた!さっき、平安の苑でテンション上がりまくっていた俺なんか、すぐに和歌が出てくるぜ。

「から衣きつつなれにしつましあればはるばる来ぬるたびをしぞ思ふ」
この和歌の、どこに『かきつばた』って言葉が入ってるのかって?そんなもん伊勢物語読みやがれってんだ。

ってか、これは有名だから、高校生以上なら誰でも知ってんだろ。俺の教科書には載ってたぜ。

「しーん、抹茶来たぜよォ」
いつもなら俺の後ろにくっついて見に来るはずの辰馬が休憩所に座ってた。見れば、そこのお姉さんと親しげに話してやがる。

「しーんー、このお姉ちゃん結婚しちょるんじゃってェ!もうわし、ショックでショックで…」

纏わり付いてきた辰馬の顔面に無言のままパンチ。もちろんグーで。こうなることがわかってて言うんだから、コイツもしかして俺よりMなんじゃねェの?あ、いや、アレか?SはMにもなれるって言うやつか。

20代後半くらいかなって感じの休憩所のお姉さんは、そんな俺らのやり取りを笑って見てるだけだった。若いからなのか、さっきの平安の苑のおばちゃん達みたいな怪訝な顔つきはしていない。

『おうす』って名前の和菓子を食べながら抹茶を飲む。走ったり飛んだりしてたって、それなりに寒い11月の気候に抹茶はほんと、ありがたい。

おうすってなんだろな、ヤマトタケルに関係あるのかなとか思ったけど、聞く気にはならなかった。辰馬じゃねェんだから(ヤマトタケルは最初『小碓命』って名前なんだよ)。

「やっぱおるんじゃ!」

懲りもせずにお姉さんと話していた辰馬が急にデカい声を上げた。なんだなんだと思ったら、1ヶ月前に臥龍橋から落ちた人がいるらしい。結構、足滑らせたり、写真に夢中になって落ちちゃったりしてるんだってさ。

「足滑らせるだけならいいけど、写真に夢中になって…ってことは、全身バシャーンっていってるよな…」
「そうじゃろうのう…」

夏ならまだしも、この季節だけは勘弁してほしい。ちなみに、万が一落ちてしまった場合は、社務所に着替えを用意しているって話。なんだ、『落ちても知りません』とも読める看板の割に、ちゃんと用意してるんじゃねェか。

30分以上煙草吸ったり、辰馬に杜若のさっきの和歌の話をしてやったりしてのんびり座っててさ。次はいよいよ最後のエリア東神苑。

ここの池は栖鳳池って名前で、今までで最大。向こう側に見えるのは橋殿の泰平閣。携帯カメラじゃあ、どう頑張っても見たまんまの感動なんか伝わらないんだけどさ、この日は天気が良かったから、橋殿が綺麗に水面に映ってて、昨日の高台寺の紅葉みたいだ。その泰平閣と尚美館は、京都御所から移築されたものなんだって。

「これは凄ェや…」
入るまで散々馬鹿にしてた俺だけど、すっかり平安神宮神苑のファンになりつつあった。

橋殿に人影があるってことはあそこは順路になってるのかな。水面に映る泰平閣や尚美館を撮ろうと思って携帯を開いたら、銀時からのメールを受信していた。

『そろそろ平安神宮出たァ?』
メールするより話した方が早いと思って俺は銀時に電話をかける。

「銀時お前、平安神宮の庭、入ったことあるか?」
パシャパシャ写真を撮っていた辰馬も寄ってくる。

『ないよォ!だってあそこ、明治28年の創建だよォ?晋ちゃんの好きなものなんて何にもないでしょォ?』
「ぶっちゃけ俺も馬鹿にしてたんだけどよォ、いいぜ、ココ!」
相手が銀時だとわかった辰馬に携帯を奪われた。

「平安の苑っちゅーのがあってのぅ、晋助大興奮じゃき」
『マジでー?でもさァ、紅葉見に行ったんでしょー?平安神宮神苑って言ったら、桜のイメージだけどォ?』
「紅葉は昨日見たからのぅ。この先はまだ決めちょらんのじゃ」
『じゃあさー、あァ、辰馬、晋ちゃんに代わってよ』
「ほい」

栖鳳池の周りを歩きながら銀時と話す。やっぱり学校サボって小太郎のところにいるらしい。火曜日だから仕方ねェけどな。

『平安神宮を出てさ、大鳥居の方に真っ直ぐ行くと、鳥居出た辺りにセブンイレブンがあるのね。セブンイレブンにさァ、タダでもらえて、しかもかなり使い勝手のいい京都の地図が置いてあるよん』

「マジでか?」

実はそろそろ地図でも買わなきゃ駄目なんじゃないかと思ってたんだ。それがタダで手に入るとなれば、こんないいことはない。しかも使い勝手がいいと、元京都府民の折り紙つきだ。

「サンキュー銀時!」
『そのかわりィ、銀さんに八ツ橋のお土産よろしくねん』
「おう、任せとけって!」

って、多分買うのは辰馬なんだけどさ。放っといても辰馬が大量にお土産を買うのはわかってる。俺は、銀時との通話を終わらせて、辰馬と一緒に泰平閣を渡った。

「あっち側も行けるんかのぅ?」
辰馬が示した方向にも、石造りの橋のようなものは見えたけど、残念ながらそっちは道が塞がれていた。

泰平閣を渡って尚美館の横を通ったら、ようやく、広大な神苑の出口だった。

桓武天皇、孝明天皇、馬鹿にしててごめんなさい。そんな風に思いながら、俺と辰馬は平安神宮を後にする。

それにしても、桓武天皇はわかるけど、なんで孝明天皇なんだろう?(明治28年の創建当時で考えたら、めちゃくちゃ最近の人じゃんか?) その謎は解けないまんま、俺は辰馬に銀時から聞いたセブンイレブンの話をして、大鳥居をくぐる。セブンイレブンはすぐに見つかった。

「晋、カイロ買っときィ」
寒いじゃろって。靴の中に入れれるように小さいサイズを2つ買ってくれたことが嬉しくて。銀時が話していた地図を手に入れて、さァ、次はどこへ行こう?


続く



平安神宮だけで終わってしまったわ…(汗)桓武天皇と孝明天皇なのは、平安朝最初の天皇と最後の天皇だからだそうですよ、高杉君。
ちなみに光格天皇は、孝明天皇の2代前です。南北朝時代の天皇じゃありません(高杉君は光明天皇と間違えてます)。

セブンイレブンの地図は、マジで使い勝手がいいです!お金出してでも買う価値あるくらい使いやすいのにタダなんですよ!


平安神宮神苑内の喫煙所


中神苑臥龍橋の看板


臥龍橋(渡ってるのは高階の知人)





















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