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※「このまま君だけを奪い去りたい」の続きです

みんなで行ったカラオケが終わって、さっさと歩き出した総悟を追い掛けて、辿り着いたのはホテル街。

瞳の住人 side-O.H


迷うことなく歩く総悟の腕を掴んで、黙って総悟について行って、総悟が選んだホテルに入る。俺にホテルを選ぶ選択権なんてないけれど、総悟が連れて行ってくれる場所ならどこでもよくて。
そしてこの日、連れられて来たのはSM専門のラブホだった。

部屋に入るなり、すぐにシャワーを浴びに行ってしまった総悟を、おとなしくベッドに座って待っていた。本当は一緒に入りたかったけど、入ってきていいとは言われてないし。

SM専門のホテルだけあって、よく見たらベッドには鎖に繋がった手枷や足枷がついてるし、壁には張り付けの十字架があるし、部屋の隅には診察台。それらを見てるだけで悶々としてきてしまいそうだったから、俺はずっと俯いて、床だけを見てた。

何たってもう2週間ヤってないんだ。

6月の末に引っ越して一緒に暮らし始めて。だから、毎日顔は合わせていたし、眠る時もなるべく手を繋いでいたんだけど、試験期間ってのはとにかく、セックスなんかしてる余裕がない程、忙しいんだ。最後の試験が終わった瞬間、とにかく『やっと終わった』って開放感で、これでやっと総悟とできるって思ったはずなのに、学校から家に帰った俺が一番最初に取った行動は、死んだように眠るってことだった。正直な身体は、性欲より睡眠を求めたってワケ。

でもそれは、大学生になって最初の試験期間を迎えた総悟も一緒だったらしくて、軽く10時間は眠っていたであろう俺が目を覚ますと、隣で総悟も小さく寝息を立てていた。最近、総悟も目の下に隈作ってたもんな。

そうやって、試験終了の翌日は寝てる間に終わってしまって、その更に翌日は高杉達と前期を乗り切ったお祝いだって、飲み会の予定がだいぶ前から入っていた。いつもは坂本の家で飲んでる連中だけど、試験が終わった時だけ、外に出て飲み放題で飲みまくるのが恒例らしい。全く酒は飲めないんだけど、俺も総悟も友達からのそういった誘いは断るつもりなんて全然なくて一緒に出かけて行った。

飲み出したら止まらないのが親愛なる馬鹿友達の常であって、飲み足りないからってカラオケ行って、ようやく総悟と2人きりになれた。しかもマンションには帰らずラブホだなんて、期待しない方がどうかしている。

冷静に考えれば、明日はここからマンションに帰らなきゃならない。だから俺が立ち上がれなくなる程激しく、総悟が責めてくれるとは思えないんだけど、それでも十字架なんて目にしたら、期待せずにはいられない。

悶々としてきて、自分で触ってしまいそうなのを必死で我慢していたら、総悟がシャワーから上がってきた。ホテル備えつけのパジャマ姿でタオルを首から下げて。

「さっさと入ってきなせェ」
言われるがままに俺も1人でシャワーを浴びる。総悟にこれからしてもらうことを想像していたら、洗っているだけなのに下半身には熱が集まってどうしようもねェ。

それでもなんとか、全ての準備を済ませて俺はバスタオル1枚で部屋に戻った。

総悟は、俺に持たせていたアダルトグッズをベッドに広げて一つ一つ見ていた。使って欲しいモノだけ自分で選んでおけって言われて、俺が選んで持ってきたから、何を持ってきたのか、総悟が見るのは今が初めてだ。居酒屋での1次会からカラオケの間ずっと、俺の鞄の中には玩具が入ってたってわけ。

「今日は我慢させられたいみたいですねィ、十四郎」

指に取ったリングをくるくる回しながら、総悟はニヤリと笑って俺の方を見た。総悟が俺の名前を呼んでくれている、総悟のあの目で見透かされてる、総悟が俺の好きな綺麗な顔で俺を蔑んでるって。それだけで身体の奥の奥から甘い痺れが疼いてきて、腰に巻いたバスタオルはちょっとだけ盛り上がった。

「恥ずかしい身体してまさァ、十四郎は」

もちろん、俺の反応には、敏感に総悟も気付いているから、バスタオルを外すよう命令されて、全裸になった俺は俯くことしかできない。

「望み通りにしてあげまさァ」

一度、俺をベッドに座らせた総悟は、一番最初にそのリングを俺の陰茎の根本にしっかりとはめ込んだ。これで俺はもう、総悟が許してくれるまでイクことなんかできやしない。

ベッドに押し倒されて、最初はゆるゆると総悟の手で攻められる。耳の中に舌を入れられた瞬間、力が抜けた。総悟には、俺の身体全て、知り尽くされている。

「ぁっ、総悟…っ」
「診察台と十字架、どっちがいいんですかィ?」
「ぁ、ぅ…」

俺に選ばせるんだ。どっちを選んだら総悟が喜んでくれるのかわからずに、俺は目を逸らしたまま十字架を選んだ。前のマンションに住んでいた時、よくロフトの階段に縛りつけられたから、立ったまま拘束されるってのには馴染みがあった。

「じゃあ、移動しなせェ」
言われるがままに十字架の前に移動して、俺は自分で両足を固定する。左手首にも手枷をつけたところで、右手首だけは総悟がつけてくれた。

完全に身動きが取れなくなった俺の前には、バラ鞭を持った総悟が立っている。俺の身体に傷つけたくねェからって、総悟は1本鞭は使わない。バラ鞭って、音はデカイんだけどあんまり痛くないらしいんだよな。総悟がしてくれることだから、なんでもいいんだけど、1本鞭だと皮膚が裂けちまうんだとか。それくらい痛めつけられてみてェなァ。

ひゅっと総悟の手首がしなって、脇腹のあたりに鞭が打ち付けられた。あんまり痛くないっていったって、全く感じないわけじゃない。打たれた皮膚が赤くなって、俺は短い悲鳴を上げた。

2回3回と、立て続けに振り下ろされる鞭。脇腹とか内腿とかの皮膚が柔らかい部分ばかり狙われるから、そのたびに俺は鎖の音をじゃらじゃら鳴らして背中を仰け反らせて悲鳴を上げた。

「ぁぁあっ…、ァッ、んァっ、ぐああっ…」
でも。これだけ痛くされて、それが気持ち良いなんて、やっぱり俺はどうかしてると思う。

途中で、一旦鞭を振るうのをやめた総悟は、たっぷりとローションをつけたバイブを解されてもいない俺のケツに突っ込んで。それから俺が持ってきたクリップを乳首につけてそれぞれに涙型の重りを。これは、本当は釣りの時に使う物らしい。

「ぁっ、痛、ぃっ、ぁアっ、そ、ごっ、総悟っ」
「バイブ落としたら、お仕置きでさァ」

カチっといきなり全開まで上げられたスイッチに快感が突き抜けた。あんまり大きくもないバイブだったからこそ、解さなくてもすんなり入ったものの、その分抜けやすいのは当たり前で。

「ぁぁあああ…、あああっ、んああ…」

腹の中で暴れ狂うバイブを落とさないように、なんとか尻に力を入れようとしても、内側から与えられる快感の大きさとか、また鞭を振るい始めた総悟に与えられる痛みとか、そんなもので全く身体に力が入らない。リングをはめられていなきゃ、とっくに何回かは達してしまっていただろう。ビクン、ビクンと身体は震えるのに、放出できない苦しさと、逆流する熱と痛みと快感と。頭がおかしくなりそうだ。

「そ、ご、ごめんなさい、ごめんなさいっ…ぁ、…ひぅっ」
ローションがたっぷり塗られているせいで、序々に重力に従っていくバイブを感じ叫んだ瞬間、乳首ごと重りを引っ張られた。

正直な反応を見せた身体は、ぎゅうぎゅうにバイブを締め付け、落下は阻止されたけど、それは一瞬のこと。
カランと乾いた音を立てて激しく動いたままのバイブは床に落下してしまった。

「お仕置き決定、でさァ」
十字架に固定されていた俺の手足の枷を外し、肩で支えながら俺を運んだ総悟に突き飛ばされるような形でベッドに倒れ込む。今までの責めだけでも、相当の体力を消耗していた俺は、すぐには起き上がれなかった。

「さて、どんな縛り方しやしょうかねィ」
俺が持ってきた赤いロープをその手に持って、蔑むように俺を見下ろす総悟。指1本動かせないくらいがんじがらめに拘束して欲しいと思うけど口に出すことはできなくて。

十字架や診察台に拘束されるってのもいいんだけど、総悟に縛ってもらうのが本当は一番イイなんて。総悟の手を煩わすわけにはいかないから我慢するし、言えないけどそれが本心。

手際良く俺の身体にロープを巻きながら、総悟はずっとはめられっぱなしだったリングを外した。

「やっぱり今日はイキっぱなしにさせてェから、これは外しまさァ」
2週間溜め込んだ上に我慢を強いられる苦しさってのがある意味快感だったんだけど、総悟は気に入らなかったらしい。いや、たぶん、2週間溜まってるのがわかってるからこそ、解放させてやろうっていう、総悟の優しさなんだと思う。

脚をM字に開いた状態で右手と右脚、左手と左脚を固定された俺は、潰れた蛙みたいな格好で総悟の前に秘部を曝していた。

「十四郎、舐めなせェ」

ホテル備えつけのパジャマを脱いで全裸になった総悟のモノを顔の前に出される。奉仕させてもらえるんだと思うだけでまた、身体の熱は上がってきて。

「今日は激しくするから、覚悟しなせェよ」

きっと失神するまでイカされっぱなしになるんだろうなと頭のどこかで考えながら、俺は舌を伸ばして総悟の陰茎にしゃぶりついた。総悟が気持ち良くなるならそれでいい、総悟が感じてくれるなら何をされたって構わない。まだ重りがぶら下がったままの乳首を時々引っ張られて、涙が出そうなくらいの痛みだって俺には喜び。俺は総悟のもので、俺を責めている時の総悟は、俺だけのものだから。


END



しや様リク、カラオケの後H第二弾沖土篇でございます!テーマ通り、鞭振るってる総悟よりも、やられてる側の土方君の方が危ないこと考えてます!自分を責めてる時は総悟は自分しか見てないから何されてもいい…って、どうしょもないですね、ドMは(苦笑)






















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