キリ番を踏んで、三島様に書いて頂きました。久々に会って酒を飲む攘夷4人
それは真冬のように寒い日の夜だった。
江戸にある小さな飲み屋、そこに四人の姿はあった。
「親父ィ〜、熱燗もう一本!!」
「はいよっ、そこのお兄さんは?」
「お兄さんじゃない桂だ。そうだな…坂本と高杉も飲むだろう?親父、四本だ。」
「はいよっ」
元気そうな店主の声が響く中、高杉はだるそうに席に座っていた。
それもその筈、今日は恋人との久しぶりの逢瀬だったのだ。江戸に来たのだって、恋人に一刻一秒でも早く会いたくて…迎えにきた為だった。
が、物事とはそう上手くいかないもので…ターミナルの帰り道、何故かその場にいた銀時と桂にバッタリと出会ってしまい……今に至る。
「いやァ〜、悪いねぇ辰馬ァ!」
高杉の気持ちを知ってか否か、銀時は上機嫌で坂本に話しかける。
「構わん構わん、久々じゃきゆっくり
飲めばいいっちゃ〜」
…………………
高杉はそのやりとりを聞いて深い溜め息をついた。
…この場から逃げようにも、恋人である坂本がこんな感じなのだ。
高杉もこの三人と飲むのは嫌ではなかった。むしろ好きな方だ。…が、わざわざ狙ったかのように現れて、あまつさえ久しぶりの逢瀬の邪魔をされたのだ。
(…だいたい、何で俺まで…)
高杉は本日何度目になるか分からない溜め息をつく。
…そうだよ、何で俺はこんな所で飲んでんだァ?っつーか何で辰馬迎えに江戸まで来てんだよ?…それが発端じゃねェか…大体よ、何で俺も俺で辰馬待ってんだァ?辰馬なんか勝手に宇宙に行って勝手に戻って来て勝手に宇宙に行って……虚しいじゃねェか。よし、俺ァ決めたぜ…次辰馬が戻る前に浮気してやらァ。相手ならいくらでもいるんだぜェ?万斉とか似蔵とかまた子てか武市とか………いや武市は無理か…アイツはロリコンだからよォ。
「オイ高杉…少し飲みすぎじゃないか?」
高杉はそんな事を長々と考えている内に相当の量の瓶を空けていた。その証拠に強いはずの高杉の頬が染まっている。
「飲みすぎてない……」
「いや明らかに飲みすぎでしょ〜?」
「…晋?」
心配気にそう問いかけられ、高杉はあまり思考能力の残っていないせいかムッと頬を膨らませた。
「うるせェ、飲みすぎてないのっ」
「いや、ないのって………」
「ないもんはないの!!注げっ!!」
命令口調でそう言われ、三人はそれぞれ溜め息をついた。それから桂は空きかけだった瓶を手にとって高杉のコップに注いだ。
「あーぁ、あんなに飲んじゃって…オイ辰馬、止めろよ〜」
「わしがか!?…ん〜…でもアレじゃ、」
v 「おうおう、今頃になって罪悪感ですかァ?」
ニヤリと嫌な笑みを浮かべながら、銀時は坂本を肘でつつこうとした。
…が、その腕は虚しく宙を切った。
「ダメ、これは俺のもんだ」
…………………
その場に一瞬の沈黙が走った。高杉の腕の中、後ろから抱き込まれている坂本は何が起こったか理解していないし、銀時と桂は呆然としている。
「…いや、いらねーよ。銀さんこんなモジャモジャいりませんー」
やっと現状を理解した銀時がそう言うと、高杉は坂本を抱き込んだままプクッと頬を膨らませた。
「…やらねぇもん」
ボソリと呟きながら、高杉は腕に抱いた坂本の体をギュッと抱きしめた。
「晋〜っ!」
「……ん」
「ちょ、銀さんアレだ…酔い覚めちゃったんですけど」
「…同感だ」
「どうする?どっかで飲みなおすか?」
「お前とか?嫌だ、天パが移ったらどうしてくれる」
「移るかァァァァア!!!」
「たつまァ…すき」
「晋は酔うと素直になるの…それまでが大変じゃが」
「なァ、たつまは?」
「何言うちょるんじゃ、もちろん愛しとぉよ〜っ!!!」
終わり
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素直になぁれ!!
それは真冬のように寒い日の夜だった。
江戸にある小さな飲み屋、そこに四人の姿はあった。
「親父ィ〜、熱燗もう一本!!」
「はいよっ、そこのお兄さんは?」
「お兄さんじゃない桂だ。そうだな…坂本と高杉も飲むだろう?親父、四本だ。」
「はいよっ」
元気そうな店主の声が響く中、高杉はだるそうに席に座っていた。
それもその筈、今日は恋人との久しぶりの逢瀬だったのだ。江戸に来たのだって、恋人に一刻一秒でも早く会いたくて…迎えにきた為だった。
が、物事とはそう上手くいかないもので…ターミナルの帰り道、何故かその場にいた銀時と桂にバッタリと出会ってしまい……今に至る。
「いやァ〜、悪いねぇ辰馬ァ!」
高杉の気持ちを知ってか否か、銀時は上機嫌で坂本に話しかける。
「構わん構わん、久々じゃきゆっくり
飲めばいいっちゃ〜」
…………………
高杉はそのやりとりを聞いて深い溜め息をついた。
…この場から逃げようにも、恋人である坂本がこんな感じなのだ。
高杉もこの三人と飲むのは嫌ではなかった。むしろ好きな方だ。…が、わざわざ狙ったかのように現れて、あまつさえ久しぶりの逢瀬の邪魔をされたのだ。
(…だいたい、何で俺まで…)
高杉は本日何度目になるか分からない溜め息をつく。
…そうだよ、何で俺はこんな所で飲んでんだァ?っつーか何で辰馬迎えに江戸まで来てんだよ?…それが発端じゃねェか…大体よ、何で俺も俺で辰馬待ってんだァ?辰馬なんか勝手に宇宙に行って勝手に戻って来て勝手に宇宙に行って……虚しいじゃねェか。よし、俺ァ決めたぜ…次辰馬が戻る前に浮気してやらァ。相手ならいくらでもいるんだぜェ?万斉とか似蔵とかまた子てか武市とか………いや武市は無理か…アイツはロリコンだからよォ。
「オイ高杉…少し飲みすぎじゃないか?」
高杉はそんな事を長々と考えている内に相当の量の瓶を空けていた。その証拠に強いはずの高杉の頬が染まっている。
「飲みすぎてない……」
「いや明らかに飲みすぎでしょ〜?」
「…晋?」
心配気にそう問いかけられ、高杉はあまり思考能力の残っていないせいかムッと頬を膨らませた。
「うるせェ、飲みすぎてないのっ」
「いや、ないのって………」
「ないもんはないの!!注げっ!!」
命令口調でそう言われ、三人はそれぞれ溜め息をついた。それから桂は空きかけだった瓶を手にとって高杉のコップに注いだ。
「あーぁ、あんなに飲んじゃって…オイ辰馬、止めろよ〜」
「わしがか!?…ん〜…でもアレじゃ、」
v 「おうおう、今頃になって罪悪感ですかァ?」
ニヤリと嫌な笑みを浮かべながら、銀時は坂本を肘でつつこうとした。
…が、その腕は虚しく宙を切った。
「ダメ、これは俺のもんだ」
…………………
その場に一瞬の沈黙が走った。高杉の腕の中、後ろから抱き込まれている坂本は何が起こったか理解していないし、銀時と桂は呆然としている。
「…いや、いらねーよ。銀さんこんなモジャモジャいりませんー」
やっと現状を理解した銀時がそう言うと、高杉は坂本を抱き込んだままプクッと頬を膨らませた。
「…やらねぇもん」
ボソリと呟きながら、高杉は腕に抱いた坂本の体をギュッと抱きしめた。
「晋〜っ!」
「……ん」
「ちょ、銀さんアレだ…酔い覚めちゃったんですけど」
「…同感だ」
「どうする?どっかで飲みなおすか?」
「お前とか?嫌だ、天パが移ったらどうしてくれる」
「移るかァァァァア!!!」
「たつまァ…すき」
「晋は酔うと素直になるの…それまでが大変じゃが」
「なァ、たつまは?」
「何言うちょるんじゃ、もちろん愛しとぉよ〜っ!!!」
終わり
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