□title list□
 ※水色部分にカーソルを合わせると
 メニューが出ます

柳翔哉様の高杉誕生日フリー3。坂高

プレゼントは彼が好きだと言ったお酒と、私自身。
それだけを手に持ち愛しい彼の元へと一歩を踏み出した。



君が望むもの


深夜の道路を一人で歩く。
カランコロンと下駄が陽気な音を立てて。その音に合わせて瓶の中のお酒がチャプチャプと揺れる。

始まったばかりの今日は、とてもとても幸せな日。
口元が綻んで、笑顔が止まらない。


彼によく似た黒猫に偶然出会って。にゃーにゃー鳴く頭を一撫で。
ごめんね。今日は君と遊んでる時間はないんだ。
片手をひらひらと振りながら別れを告げる。

急がなくては。
何かのお話のウサギみたいに、時計を気にしながら駆け足で。




辿り着いたのは空がよく見える丘。
よかった。彼はまだ来てないらし…


「遅ぇよ…」


…い訳ではないようだ。


「スマンの。これでも大急ぎじゃ」


笑えば、不服そうに「ノロマ、亀」等と言葉を重ねられる。
照れ隠しなんてしなくていいのに。


「ねぇ晋。」
「あ?」
「誕生日おめでとう」


不意打ちを仕掛ければ、すぐに顔を赤くして。可愛いったらありゃしない。
ありがとう…なんて真っ赤な顔で言われてしまえば、思わずその唇を自分のそれで塞ぎたくなっても仕方ないでしょう?


「バッ…何すん…!!」
「…プレゼントは何がいい?」
「…プレゼント…?」


もっともっと顔を朱に染めた君に問う。
答えなんて知っているけれど。



「…た、ま…」
「ん?」
「…た、つまがい、い…」


ほら、ね…。
だから始めに言ったでしょう?
『プレゼントは私自身』と。
このムードに少しのお酒も悪くない。だから、彼が好きなお酒。
ほろ酔い気分で一日中彼に睦言を囁こうか。


「仰せのままに…」


君が望むものはなんだって分かるよ。
だから、プレゼントは君の好きなお酒と私自身。
この後に君が何を望むかも分かるんだ。
だからホラ。君が何かを言う前にその唇に接吻けを…

























No reproduction or republication without written permission.