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友禅游媚様の6万さんくす企画フリーをすべてかっさらってまいりました!

4.大学生







「なあ」

「んー?なにー?」

「休みなんだしどっか行かね?」

「金ないから無理ー」




ごろごろ



ただの知り合いに毛の生えたみたいな微妙な関係の銀髪男は今日も俺の家に上がり込んでジャンプを読んでる

「それ、買ったの俺だよな」

「そーですねー」

「俺、まだ読んでないよな」

「そーですねー」

「‥‥明日来てくれるかなー」

「いーともー」

‥‥‥聞いてないようでちゃんと聞いてるんだ

「土方くんてさー」

「ん?」

不意に声をかけられてベッドに目をやるとコローンと転がった銀髪

「休み方下手そうだよね」

「は?」

何をいきなり意味不明なことを…というか、休み方に上手も下手もあるのか?

「ただごろごろしたら1日が勿体ないって思うでしょ」

「あぁ、まぁ…」

せっかくの休みだしやりたかったことやるぞ、ってのは確かだな

「たまにはいいもんだよー、ただごろごろするのも」

「そういうもんか?」

ていうか年中ごろごろしてるお前に言われても説得力ねーんだけど

でも、それを口にしたらとんでもない仕返しが待っていそうだから口を閉ざす

「よし、では今日は銀さんが土方くんに究極のごろごろを伝授することにしよう」

おもむろに、今の今まで手放さなかったジャンプを放り投げて立ち上がった

「は?お前何言って…」

「早く!行くよ!」

あっけに取られていると奴はもう玄関にいた




――――――――‥‥

「どーよ」

「‥‥‥‥‥‥」

やばい

すっげー気持ちいい

いまどき珍しい芝生の丘

都心に近く開発されたこの土地にもこんな場所が残っていたなんて知らなかった

「銀さんの秘密の場所です」

何も考えたくない時はここ来るの

って、いつものふざけた口調で言うけど実際俺はこいつの過去を何も知らない

でもそれを聞くのは今じゃない

知り合いに毛の生えたような微妙すぎる関係の俺達

踏み込むにはまだ時間がたりない

こういう距離感が、俺達だろ?

今はそれより

精一杯、休み方の特訓

(嗚呼、こいつから
学ぶ事があるなんて)


























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