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柳翔哉様の一萬打フリー小説をかっさらってきました!!もちろん坂高です!

Thanks一萬打!


一萬打ありがとうございます!
アンケートの結果から坂高を書かせて頂きました。


2 現代
3 3Z
4 攘夷
5 金魂
6 パロ


となっております!


では…


現代





いつもメロディーが流れる。
誰かなんて分かり切ったもの。だって、俺の携帯には奴…坂本辰馬のアドレスしか入ってないから。


ほら、開いた画面に映るのは『辰馬』の二文字。

出ないのか?
そりゃ出たいさ。けど、パチンと携帯を閉じて放り投げる。
ぼすっと布団に落ちたそれはいまだにメロディーを奏でる。


はっきり言おう。
出たいさ。今すぐに出て声を聞きたい。

…けど声だけじゃ嫌なんだ。足りないんだ。

電話じゃ、もう、足りない。

要は逢いたい。


電話は虚しさを増やすだけ。
確かに話せる。それはそれで素晴らしいけど…

我が儘だって分かってる。でも、きっとあいつなら笑って許してくれる気もする。
…俺は甘えてるのかもしれない。



電話に出なけりゃあいつは不審に思うはず。
俺の立場が立場なだけにすっ飛んでくるだろう。

決して、自分から素直に「逢いたい」なんて言えない俺の精一杯の合図。



ぷつっとメロディーが止んだ。



早く気付けバカ。



「辰馬…」



俺から辰馬へ。
無言の願いが伝わるまで、あと少し。





3Z






背中越しに息が荒いのが分かる。
そりゃそうだ。二人分の体重を自転車で、坂道を休むことなく登っているのだから。


「辰馬ぁ」
「な、なん…じゃー?」


途切れ途切れの声と、少し錆びた車輪が立てるぎぃぎぃといった音が混ざる。
僅かに振り向けば、こめかみを流れ落ちる汗が見えた。


「まだ?」


坂の頂上は。と問えば


「もうちょいじゃぁ!」


ご自慢の大声が響く。


あとちょっとじゃ。
おー頑張れ。


まだ?
も、もうちょい


少しの時間の短い言葉のキャッチボール。
その間も自転車は坂道だというのにぐんぐんスピードを上げていく。
がたがたとカゴの中の二つの学生カバンが揺れる。


「ちょ…頂上じゃーっ!」


歓声と共に体がほんの少しだけ宙に浮く感覚。
ジェットコースターの頂上から落ちる感覚と、ちょっとだけ似てるかもしれない。
あとはもう。ブレーキなんてかけずに落ちるまま。
錆ついてたはずの車輪も、軽快な音をたてて回る回る。
ここまでの苦労の功労者には涼しい風を。生憎。
俺にはそいつの背中のせいで風なんて微塵も来ないけど。
その変わりに、背中同士を合わせて目を閉じる。汗ばんだ背中からジワーと熱が、薄いワイシャツ越しに伝わって、ついでに何時もより早く打つ心臓の音が聞こえた。


「お疲れサン」

その感触に満足しながら、それだけ言えば。
またぎぃぎぃと車輪が音を立て始めた。






攘夷






「なぁんでそんなに辰馬に懐くかなぁ?」


始まりはその一言から。


「懐くって…?」


坂本は銀時の言った言葉の意味が分からずについ首を傾げそうになって慌てて止めた。
そんなことをしたら肩にい寄り掛かって眠る高杉が起きてしまうと思ったからだ。けど実際。一度寝てしまった高杉がこの程度でも起きるはずがないかと思い治し、言葉とのタイミングがバラバラに首を傾げた。


「だからさ。今の状況もそうだけど、なんか高杉ってお前にばっか懐いてね?」
「そうかの〜」
「そうだっつーの」


ビシッと指差されて見れば、気持ち良さそうに寝息をたてる高杉が目に入る。
柔らかそうな黒髪を無意識に梳いていたらしい。


「確かに坂本には心を許しているようだな」


読書をしていたはずの桂までが顔を上げそう言えば、そうだそうだと銀時は更に声を上げる。
ここまで騒いでも高杉に起きる気配はまったくなく、そのせいか桂の同意を得て調子に乗った銀時がある提案をした。


「じゃあさ。辰馬以外でもそのまま寝るか試してみようぜ」




―――――――



…銀時が高杉の頭を抱え、坂本と桂が場所入れ替わる。
その間も高杉は何一つ変わらず、起きはしなかった。


「よぉし…いいな…?」


坂本と桂が入れ替わったのを確認してから銀時が高杉の体制を元に戻す。


「「「………」」」


三人が無言で見守る中、高杉は少し身じろいだかと思うと。頭をごろりと動かし、桂に預けてた体をそのまま畳に移してしまう。一応、寝息は変わってはいない。


「…ヅラ、嫌われたな…」
「うるさい…」


些か傷ついたような桂と、それをからかう銀時に苦笑を浮かべながら、坂本は畳に倒れこんだ高杉の上体を起こす。

「んじゃ、次は銀さんね〜」


先ほどまで桂が座ってた位置に腰を下ろし、来い。
などと身構える。上体を起こしていた坂本が、さっきの銀時と同じ動作をし、高杉を銀時に寄り掛からせる。
坂本が一歩、二歩とさがり、また三人が無言で高杉を見守る。
が、今度はそれも長く続かなかった。


「あ、イカン。起きるきに」


坂本が言ったかとおもえば高杉の瞼がぴくりと動き、小さなうめき声のようなものも聞こえ始めた。


「え、マジで!やばっ、早く辰馬変われ!」


起きた時にこれじゃ殺される!と銀時が騒げば、余計に高杉が目を覚ましだす。
もぞもぞと動きだし、もう目が開かれる寸前。
坂本の動きは速かった。


「銀時どきぃ!」
「ぐぇっ!」


銀時に体ごとぶつかりふっ飛ばし、その拍子にかくんと落ちた高杉の頭を素早くその腕で支える。
その早業に桂が感嘆の声を上げた時、高杉が目を覚ました。


「…あれ…辰、馬?」
「お、おう晋助」
「なんか辰馬っぽくない気がしたんだけど…」


う”、鋭い…!と桂、銀時が心中でヒヤヒヤする中、坂本が気のせいじゃろと少し無理がある笑顔でフォローを入れる。
幸い。寝起きの高杉は気付きもしなかったが。


「ふーん…ま、いっか。つーか何やってんだ銀時?」
「いえ…何も…」


坂本に吹っ飛ばされ、転がった姿勢のままの自分に対して投げかけられた高杉の疑問を受け流しながら、またいつか同じようなことでリベンジしてみようと銀時は心に誓った。



本日の教訓。


高杉は、坂本以外には懐かない(かも)




ぜってー認めねぇからなっ!!by銀時






金魂





草木も眠る丑三つ時。
そんな言葉がぴったり合うような時間。
華やかな佇まいを見せるある店の奥の奥。店内も厨房もそっちのけな、裏口に一人の男。
紫煙をゆらゆらと漂わせまがら、どこからか迷い込んできた野良猫の耳元をカリカリと撫でている。
そうすれば猫も気持ちよさそうに喉を鳴らしながら、足にすりつく。
そんな猫に柔らかな笑みを浮かべた男の前に、もう一人。色眼鏡をかけた男が現れた。


「こんなトコにおったんじゃね」


ニャーと話しかけられた男ではなく猫が答えるように鳴き声をあげる。


「店の中におらんから探したぜよ」


もう一人の男が近づけば、猫は今度はそちらに擦り寄る。
それが気に食わなかったのか、男は舌打ちをしながらやっと視線を後から来た男に向ける。


「…別にいなくたっていいだろ」
「おらんかったら指名できんじゃろうが」


野良猫を抱き上げた男、坂本辰馬が更に一歩、もう一人の男、高杉晋助に近寄る。
二人にずっと撫でられてたせいか、猫は既に夢心地で坂本に甘えている。

「しなくても此処に来りゃいいだろ」


高杉が腕を伸ばして猫の頭を撫でれば、本格的に眠りに入り始める。
その高杉と猫を頭一つ上から眺めながら、坂本は何時もと同じか。それ以上に甘い笑顔を見せる。


「それもそうじゃね…」


猫を撫でる為に下を向いてる高杉の耳はほのかに赤くなっていて。
それが余計に坂本を幸せにさせる。


「わしは晋に会えれば何処でもいいぜよ」


草木も眠る丑三つ時。
そんな言葉がぴったり合うような時間。
華やかな佇まいを見せるある店の奥の奥。

そこが二人の逢瀬の場





パロ





私、坂本辰馬には一つ、困ったことがあります。
仕事が上手くいってない訳でもなく、家庭は持ってないのでそういった類でもありません。
ああ…けどこれはある意味家庭問題なのかもしれません。

困ったこと…それは同居人、高杉晋助のことです。


「晋…いい加減仕事探したらどうじゃ…?」


彼はそれなりにいい大学を出たのでその気になれば就職に困ることはないのです。けど…


「めんどいからいい」


彼が大学を卒業してから早4ヶ月。
ずっとこんな調子です。嫌だ、めんどいの一点張り。
彼らしいといえばらしいのですが、正直困っています。
家賃を入れろとは言いませんが、いい大人な彼の将来が不安で不安で…


「仕事せんでどうするの?」


…しかし、何よりも困っているのは自分自身に対してかもしれません。


「…じゃお前のところに永久就職する。」


これなら専業主夫だからいいだろ?と笑う彼を毎度毎度許してしまうのだから。
まったくもって困ったものです。でも、まあ。そう言って笑う彼を見るとなんだか幸せな気持ちになるので、構わないといえば構わな…いえ、本当にどうにかしたいものです。
何かよい意見はないものでしょうか?



―――――…




「…って手紙が辰馬から来たんだけどさー…これってぜってー惚気てるだけの自慢だろ!?」
「落ち着け銀時!あいつの事だ。他意はないはずだろう」
「余計に質が悪いわぁぁぁ!!」
「仕方無いだろ。銀時、お前には惚気られるだけの相手がいない。それも事実だ」
「…うるせー……ヅラの分際で…」
「ヅラじゃない。桂だ!俺にだってな惚気られる奴が一人や二人…一人や……」
「…ダメじゃん俺ら…」




…等々。悔し涙を浮かべる者が居たり居なかったり…?






END!






















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