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※大学パロの万高+また

高校時代


晋助先輩も誘って、3人で遊びに行こうと思ったのに、どうやら2人共、午後からサボったみたいッス。携帯に電話しても出ないし。
まー、2人でどっか行ったんだったら、邪魔したくないし、いいんスけどね。
「ただいまァ、…?」
ちゃんと午後の授業も出て、掃除当番までやって。今日はハム子も何か用事があったらしくて(デートッスかねェ)、仕方なく真っ直ぐ帰ってきたら、玄関に男物の靴がふたつ。なんだ、2人でウチに来てたッスか?珍しいッス。
晋助先輩の家と違って、うちの母親は、パートの時以外は家にいるから、2人がサボって帰る時は、たいがい晋助先輩の家に行くんスよ。晋助先輩の家は、両親とも、バリバリ働いてるから、夜中まで晋助先輩1人しかいないことも多いらしいッス。
そんな事情を知ってるもんだから、あたしは何の躊躇いもなく、2階に上がって、自分の部屋に鞄を置くより早く、兄貴の部屋の扉をノックした。
「兄貴、晋助先輩、いるんだったら…」
遊びに行こうよって、言おうと思っただけなんスよ、あたしは。
あたしたち兄妹は、実は結構仲がいいんスよ。返事がなくても、勝手に扉を開けるし、相手がいない時に部屋に入ったりなんかも普通にするんスよ。
「ァ…、ゃっ、ヤダ、で、出る…っ!」
「拙者もそろそろ…っ」
「んアァっ、はっ、あっ、あっ、あっ…」
あたしは、なるべく音を立てないように、静かに扉を閉めて自分の部屋に入ったッス。
兄貴が晋助先輩の上に覆い被さって、両脚を抱えてたッス。晋助先輩は晋助先輩で、兄貴の首に両腕を回して、しがみついてるみたいな感じで。
とどのつまり、2人がヤってるトコを見てしまったッスよ、あたし。

しばらくして、やっぱり兄貴がノックと同時に扉を開けてあたしの部屋に入ってきて。ずいぶんサッパリした顔してるッスね。
「また子、すまんでござる」
「兄貴ィ…。ヤルならヤルで、時間考えろッス」
もうすぐ母親も帰って来るッスよ。
「ちょっと我慢できなくて」
「覗いたのがあたしで、まだ良かったッスね!」
うちの両親は、兄貴が『男が好きだ』なんてこと、全く知らないから。身内で知ってるのはあたしだけだから。
「晋助先輩は?」
「拙者の部屋にいるでござるよ」
腐女子の友達に教えてもらった言葉によると、兄貴が『攻』で、晋助先輩は『受』になるらしいッスから。きっと疲れてるんだろうなとか、そんなことを思った。
「兄貴、どっか行こう。もちろん晋助先輩も」
「晋助に休憩させてからでござるよ」
晋助先輩は、あたしが覗いてしまったことには気づいていなかったらしい。真っ赤な顔で動揺する晋助先輩を見ていたら、さっき一瞬見てしまった『最中の色っぽい顔』を思い出してしまって。でも、相手はこのアホエロ音楽馬鹿の兄貴なんスよねェ。
「…晋助先輩、ますます好きになりそうッス」
「ばっ、馬鹿っ!何、言ってんだお前っ!」
「また子、それは許さんでこざる!」
結局あたしたちは、兄貴の部屋で3人で喋っていて。晋助先輩は、うちでご飯まで食べて帰ったッス。


ちゃんちゃん♪






















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