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Twitterで雪がどうとか雪国がどうとか話していたら降ってきた短いの
こんなの書きましたが、雪の降らないところに住みたいです

ショタゾウくんと、ショタゴエくんはどっちも小学生(低学年と高学年)くらいの年齢かな〜というイメージです
師匠はいくつなんでしょうね(真顔

雪の日


その日、師匠は任務で、深夜のうちに出ると聞かされていた。だから、今日は好きにして良いと言われていた。
先に起きたのはサイゾウだ。いくら暑がりで体温の高い子どもと言えども、寒くて目が覚めたのは、布団を蹴飛ばしていたからだけではないだろう。
妙に外が静かだった。いつもなら、これだけ明るければ、動物の活動する鳴き声や、どこかの家で朝ごはんを作る生活音がするはずなのに。

襖を開けて、外があまりにも静かだった理由を知ったサイゾウが真っ先に駆けて行ったのは師匠の部屋だった。だがしかし、そこは当然もぬけの殻である。
「あ、そうか、師匠いねェンだった」
ピシャっと師匠の部屋の襖を閉じ、次に向かったのはゴエモンの部屋である。

「ゴエモン起きろー!!」
布団の中で丸まっていた兄弟子の上にダイブ。『ぐえっ』と潰されたような声を出したゴエモンに、サイゾウは思い切り引っ叩かれたがそれくらいでは全然メゲない。
「見ろよゴエモン!!雪だぜ雪!一面真っ白!」
どおりで寒いはずだと、ブツブツ文句を言いながらも、ゴエモンは布団の中から出てきて、サイゾウが大喜びしている外の景色を見る。

「なぁ、雪だるま作ろうぜ、雪だるま!」
「ようし、どっちが大きいの作れるか競争な!」
「ずりぃ!それ、絶対ェ俺が負けンじゃん!」

そう言って唇を尖らせるサイゾウだが、言葉程は怒っていないのか、そのまま真っ白な庭へと飛び出して行く。
「やるからには負けねぇぞ!?」
サイゾウより少しは年長……と言ってもまだ少年の域を出ないゴエモンもそれに続いた。

************

「……で?」
任務を終えて帰宅したモモチタンバが目にしたのは、庭に乱立する、大小様々の大量の雪だるまである。
「確かに俺は、好きにしていいとは言ったがな」
胡座をかいた師匠の前に並ぶ布団が2つ。真っ赤な顔で、ぐったりとした彼の弟子が弱々しく、布団を被っていた。
「ししょー、ごめンなさい。一晩で真っ白になったのが、嬉しかったンだ」
「サイゾウがあんまり煩いから、ついムキになっちまった」
朝ご飯も食べず、寝起きのままの薄着で雪だるま作りに夢中になっていたサイゾウとゴエモンは、当然のことながら風邪をひいて、熱を出していた。

「ひいてしまった風邪は仕方ない。さっさと治せ」
「はーい」
布団を被ったまま、二人の弟子は素直な返事をする。

「……治った後は、容赦しないからな」
その後の、師匠の低い声のつぶやきは、聞かなかったことにした。






















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