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スククニらぶらぶえっちなのですがネタが最低です。一言で言うなら、
幼い息子二人を抱えたオオクニヌシが、生活のためにお金持ちのスクナヒコおじさんに身体を売る話
です。Twitterで『異母兄の八十神にレイプされてたことがあるので、身体売るのは別に抵抗がないパパ
むしろそれが原因で息子の母親に逃げられた(2回共)。ある日相手がスクナヒコで初めて気持ちよかった。スクナヒコは「息子ともども養うからもうこんなのやめろ」とか』
って数日前から言ってたので書きました。
あと、すいません、そろそろ縛りたくなってきました。オオクニヌシがドMです。ごめん……

夜はゆっくり過ぎていく


キスは嫌いなはずだった。
多少乱暴に挿入されるのも、口淫させられるのも、それで口の中に出されるのも、なんならベルトで軽く手首を縛られるくらいも全然平気だったが、なんとなくキスだけは苦手で、あれこれ言い訳をしてはなるべく逃げていた、はずだった。

「んっ、……ふ、うんっ」
それなのに、もう、10分以上は唇を重ねている気がする。ベッドの上に向き合って座った状態で唇を吸われ、食まれ、なぞられて。それからお互いの舌を絡めて、甘噛みされて。飲み込みきれなかった雫が唇の端から零れて鎖骨のあたりまで落ちているが、それでも、やめたくなかった。

「キスは好きか?」
唇と唇がくっつくほどの至近距離で、スクナヒコが問う。
「……いや、大嫌いだ」
首を振ってみせると、スクナヒコは一瞬不思議そうな表情を見せて。

「そうは見えねーけどなぁ」
クスリと笑ったあと、再び唇を重ねてきた。
こういうときこそ、『こんなの初めてだ』とか『君だけだ』とか。プロとしては言うべきなんだと頭ではわかっていたが、なぜだかそういう気にはならなかった。

週に2回時々3回。それも長時間コースで呼んでくれる上客のスクナヒコには、もう手練手管は通用しない。むしろやりたいようにすればいい、疲れたなら寝てろとまで言ってもらえるから気は楽だ。一度、盛大に寝過ごして時間をオーバーしてしまったが、その時はしっかり、3時間延長されていた。

息が上がって目の前が涙で霞む。気づいたのか、スクナヒコは唇を離してオオクニヌシを押し倒した。
「おいおい、キスだけでこんなんなってんじゃねーか。どこが嫌いなんだよ?」
オオクニヌシの中心で存在感を主張する肉棒をスクナヒコはつんつんと指で突いてみせた。本当にまだキスしかしていない。口付けながら乳首や首筋を触られたわけでもない。だから、こんなことは初めてだった。そもそも、こんなに長い時間キスしていたのも多分初めてだとは思うが。

「それは……相手が、君だからだ……」
押し倒されたまま、肩で息をしながら言い返すと、金色の瞳はちょっと驚いたように見開かれて。
「へぇ。それが本当なら嬉しいな」
いたずらっぽく目を細めた後、再び口付けが降ってきた。

この仕事を始めるときに習った手順や攻め方なんてものは、スクナヒコの前では不要である。というかそろそろ、習ったことを忘れそうなくらい、やっていない。一応、ベッドに入ってからは、まずは自分が攻めるというより、全身くまなくご奉仕するように言いつけられていたはずなのだが。
「今日はどうしてほしい?」
スクナヒコにならなにをされてもいいような気がするのに、酷くされたって構わないのに、それをわざわざ俺に言わせるのだからたちが悪い。
そもそも、客であるスクナヒコに『なにをされてもいい』と、思ってしまっているあたり自分でもどうかと思うが、すでにそれくらい、依存してしまっている。身体も、金銭的な面も、精神面も。 正直、プロとしては失格だと思うが、気持ちの問題はどうにもならない。

「君の好きに、すればいい」
「……あのよ、そういうことって、誰にでも言ってんのか?」
押し倒したその瞬間まで、欲を孕んで自分を見下ろしていたスクナヒコの瞳が明らかに曇る。そして、小さくため息を零して、覆いかぶさった状態から起き上がった。

「誰にでも、もなにも。もう2ヶ月ほど、ここにしか来ていない。俺の出勤日はすべて君の予約で埋まっていて、他のやつに、触れられてもいない」
寝転がったまま奉仕の仕方を忘れそうだと呟くと、肩を落としていたはずのスクナヒコがあからさまに嬉しそうな表情になった。
「それは悪いことをしたな。じゃあ、おれに奉仕してもらおうか」

クスクス肩を震わせて笑いながらベッドに横になるスクナヒコ。さすがにそれは馬鹿にされているような気がして、起き上がり、今度は自分から覆いかぶさって唇を重ねる。
もしかしたら、自分からこうやって誰かに唇を寄せるのは生まれて初めてかもしれない。 そういえば、セックスなんてなんとも思っていなかった自分が、初めて気持ちいいと思えたのもスクナヒコだったなんて。初回に呼ばれた時のことを思い出して、なんだかくすぐったくなった。自分はどれだけ、この小さな男に初めてを奪われるんだろう。

軽く舌を絡めた後は、スクナヒコの首筋から鎖骨、喉、そして胸へと唇と舌を這わせていく。
背が低いことを気にしているとは、出会った最初の頃に聞いたような気がするが、いくらい小さくたってスクナヒコの骨格はしっかりと男のものだったし、いつも自分を貫いてくれる股間のものは、むしろ自分よりデカイかもしれなかった。 オオクニヌシの経験上、ここがデカイという自覚がある人は、ゆっくりじっくり慣らしてくれるから、だいたい抱き方も優しくて、上手い。

習った通りに全身くまなく唇と舌で愛撫してから、半勃ちの中心を口に含む。チラッと上目遣いでスクナヒコを見ると、瞼を下ろして、気持ちよさそうな表情を見せていた。それが嬉しくて、苦しいのを我慢して喉の奥まで突っ込むと、あっと言う間にスクナヒコの中心は固く太く、大きくなった。

「そのへんでいい。出そうだ」
「一回で終わる君じゃないだろう?」
そもそも今日だって8時間コースじゃないか。明日は休みだから、3回くらいはイカせてもらいたいと思って来たオオクニヌシである。挑発するように大きく口を開け、舌で先端を刺激しながら言うと、スクナヒコが目を細めた。

「言うようになったじゃねーか」
言いながら肘を着いて上半身を起こしたスクナヒコに頭を押し付けられる。一気に熱い肉棒が喉の奥を突いてむせ返ったが、逃げられない。
「んんーー、ん、んうっーーー」
酸欠でくらくらする中、声にならない悲鳴を上げるが許してもらえない。頭の中が真っ白に弾ける寸前、喉の奥に熱い飛沫が吐き出された。

「……っ、はぁ、‥‥はぁ……。……悪ィ」
すぐに口から自分のモノを引っ張り出したスクナヒコがティッシュを充てがってくれたが、出されたものはほとんど、そのまま飲んでしまった。

「なんで飲んでんだよお前は」
「いや、別に、……なんとなく……」
「キスが不味くなんだろーが!ほら、口ゆすいでこい」
「えっ、それは嫌だ」
ぺちぺちと腰を叩いて洗面所へ促されるが、なんだか勿体ない気がして、そのままスクナヒコに覆いかぶさって唇を重ねた。眉間に皺が寄っているのがわかる。しかし、無理矢理引き剥がされるまではそうやって、舌を絡めて口吻していた。

「だから不味いって。ったくもー」
ぐるりと視界が反転して、背中がシーツに沈んだことを理解したときにはもう、スクナヒコの唇が首筋に埋まっていた。あとははもう、ひたすら時間いっぱいまでイカされるだけだと理解して、歓喜に身体が震える。いつからこんなにセックスが好きになったのかはわからない。けれどきっと、これはスクナヒコ限定だと思う。毎日でもしたいと思うのだからイカれてる。

「ぁっ、うぁ、っ、ゃ、っ」
「イヤじゃなくて、イイの間違いだろ?」
さっき、自分がしたのと同じように身体にスクナヒコの唇と舌を這わされる。やがて、舌が痛いくらいに主張する胸の飾りに到達して。おもいきり、噛みつかれた。
「やぁぁぁあぁっっ!!」
それだけで、イってしまった。

痛い方がいいとだいぶ前に頼んだのは自分だ。最近はもう、腫れが引かなくて、日々ちょっとした拍子に自分で触れるだけでも痛くて正直生活に支障をきたしているほどなのだか、それがいい。会わない日でもスクナヒコを感じられる。

幼少期より腹違いの兄から性的虐待を受けていたこと。中学生の頃には複数人同時に相手するのは普通だったこと。縛られたり殴られたりもよくあったこと。おかげで痛みを快感に変える術を覚えてしまったことを告白したときのスクナヒコは、自分のことのように辛そうな表情を浮かべていたが、今ではそれすらも全部受け入れてくれたかのように、激しく責めて、高みへと連れていってくれる。
じんじんとした痛みが引かない乳首をスクナヒコが丁寧に舐め溶かす。少し呼吸が落ち着いたところで、再びがぶりと歯を立てられた。

「――――っ!!」
痛いものは痛い。だから、瞳からは涙が溢れたが、もっとしてほしい、めちゃくちゃにしてほしいという欲望が留まることはなかった。
こんなところまで自分をさらけ出せるのはスクナヒコだけかもしれなかった。

乳首を責められながら同時に中にスクナヒコの指が入ってきて慣らされてるのがわかる。じっくり慣らされるのがもどかしくて早く、早く挿れて欲しいとせがむがなかなかそれは叶わない。ようやく待ち望んでいたもので貫かれたとき、オオクニヌシは再度絶頂を迎えていた。

「……っ、イキすぎだろ、お前。……そんなに、締めるな」
そう言われても、すっかりスクナヒコの形を覚えてしまった身体は、繋がるだけで快楽を拾い、彼が動く度にそのまま溶けてしまうんじゃないかと思う程の強い快感に支配される。
「あっ……く、っん、ぁあっ、っ、ああああっ」
「少し我慢しろ」

きゅっと、勃ちっぱなしの中心の根本を握られたまま抽挿を開始され、開放できないまま溜まっていく熱に、オオクニヌシは喘ぎながら泣いた。
「ぁっ、う、あ、スクナヒコ、スクナヒコ……はっ、あ、スクナヒコぉっ」
気持ちよすぎて、なにも考えられなくて、自分を満たしてくれる存在の名前を呼ぶことしかできない。自分でも知らない中のイイところまで知られ尽くした相手の前では、取り繕うことはもちろん、理性を残しておくことも、演技をしてみせることも全く無理だった。

「中に、出していいか?」
出せないまま何度空イキしたかわからない。ようやく、待っていた言葉を掛けられて。
「ぁっ、ほし、欲しい、奥に、っ、スクナヒコ……っ」
伸ばした手は指を絡めてしっかりと繋がれた。身体の奥に熱い飛沫を感じた瞬間、目の前が真っ白になって、そのままオオクニヌシは意識を飛ばしていた。

************

すっかり眠っているオオクニヌシの寝顔を眺めているだけで全然飽きなかった。
なんとなく、むしゃくしゃしていて、顔だけで選んで気まぐれで呼んだ男娼にここまでハマるとは、スクナヒコ自身全く思っていなかった。
金には困っていないから、別に構わないのだが、ここまでくると、どうせなら全額、直接オオクニヌシに渡したい気もしてくる。
なんなら、養ってやってもいいとまで思っている。

「ん……」
小さく身じろぎをして、眠っていたはずのオオクニヌシが目を覚ました。青い瞳がぼんやりとスクナヒコを捉え、ふわっと微笑む。
「まだ寝てていいぜ」
「……うん」
小さく頷いたから、寝るのかと思ったらすり寄ってきて、スクナヒコの二の腕あたりに額を押し付ける。末っ子だと言っていたか。甘え上手なのはそのせいだろう。放って置けなくなるタイプだと思う。
スクナヒコの手を握ったり、二の腕に唇を押し付けてきたりして、どうやら眠くはなさそうだったから、他愛のない話を振ってみることにした。

「お前の子どもって、いくつだった?」
「12と、3つ」
「は?12?いくつの時の子だよ?でかくねーか?」
「……そこはあまり、気にしないで欲しい」

子どもが二人いると聞いたのはいつだったか。下の子がまだ小さいというのもその時聞いた気がする。スクナヒコが聞いているオオクニヌシの年齢が本当ならば、10代前半のときの子だということになるから、さすがにそれはサバを読んでいるのだろう。
それにしたって、12歳ということは、二十歳の時の子だとして32歳。いくらなんでもオオクニヌシの実年齢が30過ぎてるということはなさそうだから、ずいぶん早くに作ったことは間違いなさそうだ。

「もしかして、昔の女に都合よく押し付けられたとかそんなんだったりするんじゃねーのか?お前、絶対お人好しだろ?」
「俺だって最初は考えたさ。しかし、長男は、びっくりするほど、俺に似てるんだ」
「そ、そうか」

見るか?と言われて、オオクニヌシがベッド下の鞄からスマホを取り出した。確かに長男は髪の色といい表情といい、オオクニヌシにそっくりである。ただ、あまり似ていないと言っていた次男も、しっかりとオオクニヌシの面影があるような、気がする。息子二人が揃って、父親のことを大好きそうな、幸せな家族の写真がたくさん出てきて、スクナヒコは思わず頬が緩んだ。

「なぁ、オオクニヌシ。……お前さぁ、この仕事、辞める気ねぇか?」
「は?……いや、他にもっと割の良いバイトがあれば考えなくもないが……」
一瞬驚いて起き上がったオオクニヌシだったが、再びベッドに沈み込み、『いつまでもできるとも思っていない』と呟いた。そりゃそうだろう、この先子どもたちが大きくなればなるほど養育費はかかる。制服だとか受験だとか学費だとか。それと反比例するように親の体力は落ちる。そのあたりを、考えていないオオクニヌシではないとは思うが、昼間の仕事だけでは足りないから、週に2日だけこの仕事をしていることを、スクナヒコはとっくに知っている。

「だからよ……この家、部屋余ってんだけど」
「……え?」
「もちろん、お前の息子たちが嫌だって言うなら、仕方ないけどな」
「待ってくれ、それって、つまり……」
さっきの比ではないくらいの勢いでがばっと起き上がり、目を白黒させる姿がとても愛おしいと思う。

「お前の寝室はおれと一緒でいいだろ?だったら息子たちにも一人部屋当たるぜ?……まぁ、3歳に一人部屋はまだいらねーかもしれねぇけど」
呆然として、オオクニヌシが何も言えなくなっているのをいいことに一気に続けた。
「3人養うくらいの甲斐性はあるつもりだぜ?もし、どうしても子どもの分くらいは稼ぎてぇって言うなら、おれの会社来るか?酒は飲めるな?」
「こんなの、嘘だ……」
確かにこんなに、都合のいい話はなかなかないだろうと思う。言ってるスクナヒコ自身が、自分でもそう思うのだから、信じられないのも無理はない。しかし。

「嘘じゃねーよ。そろそろ、本気でおれのものになれ」
「……君は、……俺のことを、好いて、くれているのか?」
「あのな、惚れてなきゃこんなに貢がねーよ」
まだ震えている身体を抱いてやると、恐る恐るといった様相で、オオクニヌシの腕が小さなスクナヒコの背に回った。

「む、息子たちに聞いてみないと……」
「そーだな。今度会わせてくれよ」
こくんと頷いたオオクニヌシが可愛くて、頭を撫でてやった。
その日はもう、時間までずっと、抱き合って他愛のない話をしながら過ごした。

後日、普段は人見知りだという次男があっさりスクナヒコに懐いたのを見た長男が涼しい顔で。
「事情は聞かない。でも、反対もしない」
と二人に言い放ったのはまた別の話。






















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