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国造り初期。コトシロヌシがまだショタです。
八十神に輪姦されてるオオクニヌシと、八十神ぬっころしに行くスクナヒコ
設定いっぱい捏造しました気が向いたら続き書くかも

泣かない空


仕事を終えて、酒蔵の見回りも終えてスクナヒコが戻ったとき、屋敷の中はがらんとしていてもぬけの殻だった。相棒のオオクニヌシが先に帰っているはずだ、おかしいな?と、相棒の名を呼びながらたいして広くはない屋敷の中を歩く。

「スクナヒコ!」
台所から顔を出し、ぱたぱたと走ってきてぎゅうっとスクナヒコの腰に抱きついたのは、オオクニヌシの長男コトシロヌシだった。
「おう、どうした?相棒知らねぇか?」
「悪いやつがきたからおまえは隠れてろって、父上が」
スクナヒコを見上げるコトシロヌシの瞳にはいっぱい涙が貯まっている。さぞかし一人で怖かったことだろう。

「なぁ、それって、どこに来たかわかるか?」
「東の村だって言ってたよ」
「どんなやつ、とか聞いてるか?」
「わかんない」
「そうだよな」
ぐずぐずとスクナヒコに抱きついたまま泣き出したコトシロヌシを抱いて、頭を撫でてやりながら少し考えて。

「なぁ、コトシロヌシ。おまえ、一人でおばあちゃんのところ、行けるか?いや、一人は危ねーな、誰かに呼びに行かせるか」
スクナヒコはすぐに人を集め、クシナダヒメを呼んでくるよう言いつける。それから、数人、この屋敷にいるよう命じた。もちろん、まだ幼いコトシロヌシを守るためだ。多分この屋敷まで敵が攻めてくることはないだろうが、それでも念の為結界は張っておく。オオクニヌシの母親の、クシナダヒメが到着した後はなんの心配もないが。

「すぐ帰ってくるから安心しろ」
「お酒、用意しておくね」
「……おう、頼んだぜ」
腰に刀を差したスクナヒコの、あんなに怖い顔は初めてだったとコトシロヌシは後に振り返る。

************

東の村を襲ったという連中は、残念ながらオオクニヌシの予想通りだった。民を人質に取られてしまっては、生大刀を振るうどころではない。オオクニヌシは、おとなしく異母兄たちの言うことを聞くしかなかった。
せめて民たちの見ていないところにしてくれという要望が通り、幾度となく呼ばれた記憶のある洞窟へ向かう。

「くっ、ア、ぁあっ」
ろくに慣らしもせず、身体を無理矢理開かれる痛みに殺しきれない声が漏れる。男たちはゲラゲラ笑いながら、組み敷かれたオオクニヌシを見下ろしていた。男の数は4人。少ない方であることにオオクニヌシはこっそり安堵していた。これから増えないとは限らないが、洞窟の入り口に結界を張っていたから、多分誰も来ないんだろう。それは同時に、助けも絶対に来ないという意味だったが。

最初の男がオオクニヌシの中に精を吐き出す。間髪入れず、次の男がオオクニヌシを後ろから抱えて座った体勢のまま貫かれた。
「ァあ……ひ、っ、あくっ……」
「俺はこっちがいいんだよな」
自身の体重が一箇所にかかり、最奥を抉る。腹部に鈍痛が走り、うっすらと声を漏らしたオオクニヌシの喉奥に、3人目の肉棒が容赦なく突っ込まれた。

下から突かれる痛みと快楽に、呼吸さえも奪われるほどの苦しさ。それでもオオクニヌシは抵抗できなかった。村人が人質だからではない。ちょっとでも抵抗したり、暴れたりすると、薬を使われたりして、ますます酷い目に遭うことを知っていたからだ。
ただ早く、奴らがこの行為に飽きて、終わるのを待つしかなかった。

4人がそれぞれ2回、3回ずつは放っただろうか。途中オオクニヌシ自身も達している。好き勝手に弄ばれた身体は疲れきって、指1本動かすのさえ億劫だ。
「もう1回くらいしておくか」
「でももう緩いだろ?」
「あれ持ってこいよ、アレ」
朦朧とする意識のまま1人目の男に抱えられたオオクニヌシの乳首に切れ目を入れた小枝のようなものが着けられる。よくしなる、指くらいの太さの小枝が、容赦なくオオクニヌシの乳首を挟んだ。

「ぐあっ、ぐ、ああっ、ぅっ、く」
激痛に身体を捩らせる。しかし、当然それで許されるはずはなく、そのまま持ち上げられて、男の上に乗せられた。

「あ、ァア……」
「ほら、すっげー。さっきより断然イイ」
「痛めつけられて感じるとは、この変態め」
「やっぱり愚弟の教育は、俺達がしてやらねぇとなぁ」

上と下で二人を受け入れ、持て余した残り二人はオオクニヌシの身体を好きに弄んだ。小枝ごと乳首を引っ張ってみたり、オオクニヌシ自身を扱いてみたり。
「ほーら、痛めつけられてイってみろよ」
輪姦に慣れた身体はそれでも快感を拾い、そして。頭の中が真っ白に弾けたところでオオクニヌシの意識は途切れた。

************

「どうする?そろそろ飽きたな」
失神してしまった弟を見下ろして。満足したから引き上げようかと立ち上がった八十神は、そこで結界が破壊されたことに気づく。

「なぜだ!?」
邪魔が入らないよう、来たときから張ってあった神の結界だ。人間がどうこうできるものでは当然ない。一人一人に大した能力はないとは言え、それでも八十神は三貴神の一人スサノヲの息子である。その、神が築いた結界を破れる神なんて、それより上位の存在に決まっている。
そうやって、半分恐怖を覚えながら待ち構えていた八十神の前に現れたのは、子どものような、拍子抜けするほど小さな男神だった。

「なんだチビ。何しに来た?殺されたいのか?」
「悪ィなぁ。それはこっちのセリフなんだよ」
「ァア?」
巨大な剣を抜き腕を振り上げた八十神の動きが止まって、大剣が地面に落ちる。その腕が振り下ろされるより早く、スクナヒコの刀が八十神の心臓を貫いていた。 いつ、腰の刀を抜いたのかすら、八十神には見えなかった。

体格差で明らかに劣るスクナヒコ、おまけに多勢に無勢。それでも、少しも臆した様子はない。むしろ、次はどいつだ?と挑発して見せる。
「ふ、ふざけるな!!」

八十神は体格もでかく、力も強いが、剣の技術があるわけではないことを、スクナヒコは知っていた。危なくなったら宝珠も使おうと思ってはいたが、どうやら刀だけで十分のようである。
下から突き上げるような形で斬ったため、思ったより返り血を浴びてしまったことだけが計算外だった。

「ちっ、きったねーな」
そうは言っても仕方のないものは仕方がない。それよりも、八十神と散々やりあって煩くしていながら気絶したまま目覚めない相棒の方が大事だった。
なにをされていたかなんて見ればわかる。 奴らが過去に何度も殺したことも知っている。スクナヒコの親が、手を貸して復活させていたことも知っている。殺しても天の神の力で復活するのなら、死なないように痛めつけようだなんて、下衆なやつらの考えそうなことじゃないか。

「来るのが遅くなった。……悪ィ」
スクナヒコの言葉は、誰にも聞かれることなく、洞窟の奥へと消えた。

************

子どものおれよりはデカイって言ったって、周りの大人たちと比べるとスクナヒコは小さい。まして、たぶん親父と比べると頭ひとつ分くらいは身長が違う。
それなのに、その親父を背負って帰ってきたから、コトシロヌシは目を丸くしたまま動けなかった。しかし、一緒に出迎えたクシナダヒメはむしろ、スクナヒコの半身がどす黒い血で染まっていたことの方が気になったようである。

「返り血だからなんてことねーよ。もう乾いてるしな」
父親は気を失っているようで、スクナヒコが下ろした後は手伝いに来てくれていた人たちの手で布団に寝かされた。

眠ったままの父が心配で、布団の横に座ると、なぜだか父からはふんわりと温泉の匂いがした。そのまま黙って父の部屋を出ていくスクナヒコからは、血の匂いと、土埃。どういうことだろう、全く意味がわからない。
わからないけど、聞いてはいけない気がした。

「スクナヒコ様」
クシナダヒメがスクナヒコを追いかけて、廊下の手前で声を掛ける。
「あの子の記憶、消しましたか?」
「ああ。……悪ィ。穢は全部、おれが預かった。だから、適当に辻褄合わせといてくれよ。ちょっと、行ってくる」
無茶はしないでくださいねと、見送るクシナダヒメに軽く手を上げて、スクナヒコはまた、どこかへ行ってしまった。さっきまで彼の後ろに浮かんでいた宝珠が、いつの間にか消えていることにさえ、コトシロヌシは気づかなかった。

「……スクナヒコって、意外と力持ちなんだね」
コトシロヌシは隣に座った祖母に、なんとなく話しかけてみる。一人で隠れていたときのような恐怖はないけれど、なにか見てはいけないものや、知ってはいけないものをたくさん聞いてしまった、そんな気がしている。
「あの方は星詠みですからね。……星詠みって、実は飛んでるですよ?」
「えっ?」
びっくりして声を上げたコトシロヌシに向かって、クシナダヒメは優しく微笑んだ。
「帰ってきたとき宝珠が出ていたでしょ?あれは浮いていたの」

普段宝珠を出していない時は、地に足を付けて歩いているということになるらしい。長年一緒に暮らしていたが、全く知らなかった。しかし、考えてみれば、宝珠はあくまでも武器である。スクナヒコがコトシロヌシの前でわざわざ武器を使うことなど、ほとんどないのだから、無理もない話だった。

「スクナヒコ、どこ行ったの?」
口に出してしまってから、聞いてはいけないことを聞いてしまったと気づいてコトシロヌシはハッとなる。たぶん、今日起こったことは、子どもの自分が知っていいことじゃない、そんな気がする。

「きっと、お酒を取りに行ったんじゃないかしら」
絶対に違うことなんてわかっている。わかっているけれども、それでも上手く、ごまかしてくれた祖母にコトシロヌシは感謝した。
「そうだよね。スクナヒコらしいや」
無理矢理笑顔を作ると、祖母がぎゅうっと抱きしめて、頭をなでてくれる。目の前には眠った父がいて、祖母の腕の中で身の危険など、ないに等しい場所で。

「でも、あいつらまた来るよ」
自分の口から出た言葉に、コトシロヌシ自身が一番驚いた。

************

数刻前まで神だったモノをバラバラにして火を放ち、ついでに土砂崩れを起こして洞窟そのものを埋めてやった。ここまですれば、やつらが復活することはないだろう。
とは言え。八十神がたった4人しかいないわけがないことはよく知っている。
目上の肉親を殺すことはできない。それは最大の禁忌とされている。当然、奴らはそれをわかっている。 オオクニヌシが反撃できないことなど、百も承知なのだ。

「まぁ、おれには関係、ねぇけどなぁ?」
造化の三神と呼ばれるカミムスビの子であるスクナヒコは、八十神たちよりはずっと上の存在である。八十神がそれを知っているかどうかは別として。
振り返ったスクナヒコの左手に、刀が握られていた。

東の空はすでに暗い。西の空にも夕焼けは見えず、明日はきっと天気が悪いだろう。
どうせ弱いんだから、夜の闇に紛れて襲撃した方がよほど成功率は上がるだろうにと、姿を現した敵を前に、スクナヒコはどうでもいいことを考えた。






















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