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今年は暖冬だと騒がれ、例年より1週間も早く春一番が吹き荒れたと思った途端、急に寒くなった。

そんな2月のある日。
俺は風邪をひいた。

馬鹿は風邪なんてひかない


「暖冬だからって油断したんだろ」

枕元で呆れながら、それでも額のタオルを取り替えてくれる桂。

「だから、寒くなるらしいぞって言っただろうが」
「うるせェ」

今月に入ってから、目立った天人達の一斉攻撃はない。志気が下がるのを恐れて、仲間達に稽古をつけてやり、鈍りかけた身体も動かして汗を流して。そこまでは良かったのだ。
春のような、あまりの暖かさに、裸のままウトウト眠ってしまい、目覚めた朝は、例年どおりの冬の寒さだった。

「坂本と、銀時は?」
「あいつらは元気だからな、買い出しに行ってもらった」

そっか、馬鹿は風邪ひかないって言うもんな。

「とりあえず寝ろ。さっさと治してくれ」

言いながら部屋を出て行った桂。俺は、熱のせいでまだぼぅーっとする頭のまま、また眠りに落ちた。

***

少し離れたところから聞こえる話し声で目が覚める。

「わしは大丈夫じゃって」
「でもお前、一睡もしてないんだろうが」

お前にまで倒れられたら困るんだ、と怒っているのは、きっと桂。

「わかった、…昼飯持ってきてやる」

桂が折れたみたいで、襖が閉められて枕元に来たのは坂本だった。

「おお、高杉、起きたがか?」

さっきの聞こえてきた会話を頭の中で思い出す。

「お前、もしかして、ずっとここにいたのかよ?」

一睡もせず、俺についててくれたのか?

「そうじゃよ。高杉、丸1日眠ったまんまじゃったァ」

アッハッハと笑う坂本の声はいつも通りだけど、それでもやっぱり、長時間の俺の看病で、疲れが顔に滲んで出てる。

「うつったらどうすんだよ、馬鹿」
「わしは、日頃の行いがえいから大丈夫じゃァ」
「なんだよ、ソレ」

それじゃあ、俺は日頃の行いが悪いみたいじゃないか。

「ホレ、起きたんなら、身体の汗ば拭いちゃるぜよ」
「ばっ、馬鹿やめろっ!」

坂本は、掛け布団を剥いで、無理矢理俺の身体を抱き起こした。

「熱も下がったようじゃしのー」
「馬鹿、ヤメロっ!勝手に脱がすなァっ!」

高杉の喚き声は廊下にまで響いていて。
昼食を運んできた桂が、部屋に入っていいものかどうかわからず、扉の前に立ち尽くしていたことなど、2人は全く知りもせず、気づきもしないのだった。


END



お互いのことは、気になる存在ではあるんだけど、まだラブラブって程でもない坂高とゆぅことで(汗)ってか坂→←高か?桂はやっぱり晋ちゃんの過保護なお兄ちゃんで。




















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