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放課後の秘密


最近、毎日のように自分の家に入りびたっていた恋人に、『今日は家に帰った方がいい』とメールしたのが昼休み。
返ってきた返事には『じゃあ放課後つきあえ』とあって。
つきあえと言われても、何をするというわけでもなく、放課後はほとんど誰も来ない社会科資料室で2人、他愛もない話をしながら、まぁ、言うなればイチャイチャしていたのであるが。

「…高杉…?」

自分に寄りかかるようにして座っていた恋人から、急に返事がなくなって名前を呼んでみると、力の抜けた身体がずるっと自分の方に倒れてきた。

「高杉…寝てるがか?」

覗き込むと、かわいい恋人は、すっかり安心しきった表情で、すーすー寝息を立てていた。
担任筆頭に、校内ほとんどの教師が持て余し、匙を投げ「不良」というレッテルを貼られたこの生徒が、こんな穏やかな顔を向ける相手は自分だけなのだと思うと、ついつい頬が緩んでしまう。
自惚れてしまってもいいだろうか。

「晋…」

恋人がソファーからずり落ちてしまわないように、お腹の前で手を組んで後ろから抱きしめた。
起こしてしまうのは可哀想で、体重が自分に掛かるように体勢を調節してあげる。
このまま、最終下校時刻まで眠らせてあげようと、サラサラの髪の毛にそっと口付けた。
こんな可愛い寝顔を見ていられるなら、お気に入りのスーツがシワになるくらいは、気にならないよ。



アゲハ。の一周年記念おめでとうございます!ということで、佐倉アケビ様に捧げますm(__)m
(毎度毎度、坂本先生でごめんなさい)
しかも駄文でごめんなさい
upにあたり、最後の一文だけ加筆しましたぁι






















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