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HEY MY FRIEND


「晋助様っ!」

寒いのがわかっていながら、屋上に転がっていた俺を、覗き込むように視界に入って来たのはクラスメートの来島。
今日は、世間で言うところの成人式だ。なんでこんな祝日にまで、学校に来ているのかというと、補習が間に合わないからというそれだけの理由にすぎない。
『いくらなんでもサボりすぎだから』と、祝日の補習を担当するハメになった銀八は嘆いていた。どっちみち部活で学校に来ることになっていた辰馬は何にも言わなかったけど。

「晋助様、補習サボったら駄目ッスよ!卒業できないッスよ」

来島は、銀八に言われて、俺を迎えに来たんだろう。

「ハイハイ、行くよ」

立ち上がり、教室に戻る前に来島を呼び止めた。

「やるよ」

俺は、持ってきていた紙袋を来島に渡す。ここにいれば、迎えに来るだろうと思って、わざわざ屋上にいたなんて、言ってやらねェけど。

「え?何スか?」
「誕生日だろ、お前」

それだけ言うと、俺は寒い屋上をさっさと後にした。

「晋助様ァ〜!!!」

嬉しいッス、覚えててくれたんスね!と、俺に纏わり付くように、来島も階段を降りてきた。

「そんなんで喜んでんじゃねェよ」

いつも薄着の来島に、俺からはマフラーを。だけど、万斉の奴は、なんかもっと、イイもん用意しているみたいだぜ?

「そこ2人!さっさと教室入ってよね!」

煙草をくわえたままの銀八が、廊下に出て俺達を待っていた。

「ヘィヘィ」

万斉はもう、席についていて、2人で現れた俺達を、複雑な表情で見つめている。
安心しろよ、万斉。この補習が終わったら、俺は辰馬と帰るんだから。お前らは2人で、どこへでも行けよ。邪魔なんてしないからさ。

HAPPY BIRTHDAY また子


END



短くてごめんよまた子






















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